地方都市の郊外に位置する新市街の市道に面する土地に建てられた眼科診療所。

ドクターからは、見た目の派手さよりもシンプルで機能的な診療所が求められた。そのため外観のデザインも出てくる要素を出来るだけ減らし、ミニマムなデザインを心がけた。道路側の騒音から診療部分を守るようなイメージで、コンクリートの壁を配した１階の診療部分は、杉板化粧型枠コンクリートと見付の細いサッシ、ガラスで構成している。２階部分はガルバリウム鋼板の角波鉄板で構成した。また大きな庇をデザインに取り入れ、患者を招き入れるような形とした。

プランは、ドクターがどこに行くのにも便利で、医院の現状を把握しやすいように、診察室を中心に、検査室、処置室、暗室などの診療部門を配している。検査室は、将来医療機器が増えても対応できるように、電源を多く配置した。

待合室は、フルハイトの開口により、広さを感じる暖かい空間になった。また子供やお年寄りのためのスペースとして畳コーナーを設けている。外来は眼科という性質上、お年寄りや視力の弱い患者が主体となるため、スタッフの目が細部まで行き届くように配慮し、段差の少ないバリアフリーな診療所を目指した。兵庫県が推進する「福祉のまちづくり条例」に適合した建物となっている。

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