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依頼主であるドクターは、旧市街地内に建つRC造の有床診療所を購入され、その一階のみを診療所として診察を行っておられた。しかしその旧市街地は、近年人口の高齢化が進んでおり、工場や大きな川に囲まれた立地からも、今後は大きな発展が見込めないこと、また建物の老朽化により改修に相当費用がかかることから、診察圏の将来性を考慮して、若い世代が増えている新興住宅地に移転することを決められた。

新しい診療所を設計するにあたり、建物は減価償却年数の短い木造で計画し、環境への負荷の少ないエコロジーな診療所を目指した。また外観は小児科ということもあり、「楽しく、可愛く、温かく」をテーマに設計を開始した。プランは感染症と一般の患者さんを差別感を感じさせずに分離することが求められた。

環境負荷への対策は、まず断熱の処理をしっかり行い、開口部は断熱性に優れた樹脂サッシ・断熱ガラス等を使用した。屋根には太陽光発電、屋上緑化を施している。診療所前に設けた水盤は、見た目に涼しさを感じるだけでなく、雨水を貯め屋上緑化の散水に利用している。また地熱を利用した床下24時間換気も設けている。小さいながらも風力発電も採用し、建物全体にエコロジーの雰囲気を感じるような柔らかい外観とした。内部の照明もLED照明を積極的に取り入れている。

内部は、既存の家具を家具や器具を最大限に活用しながらも、カラフルに、また水槽や床に配したショーケース、太陽光発電の発電量が分かる森の木の姿をしたオブジェクトなど、子供が楽しめる要素をちりばめ、楽しい診療所を演出している。もちろんさまざまな患者に対応するために、バリアフリーにも対応した建物とした。

→「転馬こどもの診療所」ホームページ

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(写真撮影/松村芳治)
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建築地 兵庫県
地域・地区 第一種住居地域
構造・規模 木造2階建

敷地面積 699.42u(211.5坪)
建築面積 186.00u( 56.2坪)
延床面積 234.40u( 70.9坪)

意匠設計: 古田建築設計事務所 古田充 山本直美
構造設計: アイ設計工房

設備設計: 岸本電気設備 設備企画ウッズ

施   工: 阿比野建設

□外部仕上表
  屋根/ガルバリウム鋼板 t=0.4 タテハゼ葺
      太陽発電パネル 草屋根(ノシバ)
  外壁/サイディングt=14 通気工法 ジョリパッド塗   
  建具/アルミサッシ、樹脂サッシ
□内部仕上表
  壁/クロス貼
  床/長尺シート貼
  天井/クロス貼
□主な設備
  冷暖房/空冷ヒートポンプ式エアコン
  換  気/地熱利用床下24時間換気
  給  湯/電気湯沸器


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(株)古田建築設計事務所