呉市街

(広島県呉市)

入船山記念館 640*512

うんちく

明治初期まで一農漁村であった呉は、三方を山と島に囲まれ、しかも水深が深いという天然の 良港という立地から、明治23年に海軍の鎮守府が置かれ、それ以降は日本最大の軍港として 整備されていきます。

やがて、呉の海軍工廠からは、かの有名な戦艦大和や長門をはじめとする各種の艦艇が進水し、 繁栄は頂点に達しますが、その後始まった太平洋戦争では、当然の事ながら軍事施設の集中する この町は数度にわたる大空襲を受け、廃墟となってしまいました。

敗戦後は、旧海軍工廠の設備を利用し、造船・鉄鋼を中心にした産業が早くから復活し、 現在も重工業の町として栄えています。また、旧海軍の施設の一部は海上自衛隊に引き継がれ、 戦前ほどではないですが、今でも横須賀・佐世保・舞鶴と並ぶ軍港となっています。

呉市についてもっと知りたい方は こちら へどうぞ。 (情報提供:舘 伝人 さん)

撮影ポイント

呉市街地地図 現在でも国内屈指の軍港である呉は、現在第一潜水隊群・第四護衛隊群の母港であり、非常に 多くの艦艇が在泊しています。艦船マニアはまずこれを押さえない手はありません。(地図上ポイント@) 私が見かける限り、平日でもかなりの艦艇が在泊しているように思えますが、平日の日中は演習の ために出航しているはずですから、狙い目は週末ということになると思います。また、遠洋航海など が多い春は相対的に艦艇数が減少します。

呉基地東側より それから、呉の場合、潜水艦や地方隊所属の小型護衛艦が停泊する桟橋は手前にありますが、 第四護衛隊群の艦艇が停泊するFバースはかなり遠方なので、出来るだけ望遠を用意したいところです。 (日本で潜水艦が見られるのはここと横須賀しかないとはいえ、潜水艦はどう撮影してもいまいち絵に ならない・・・下手なだけかなぁ〜)

最近では軍事費削減に抵抗するためか?積極的な広報活動を行っていて、毎週日曜日に3〜4回 程度、基地内を開放していて、在泊艦艇の内部まで見せてもらえるようです。
(事前に申請などの手続きが必要かも知れません。)


入船山記念館 また、海軍の街であった呉には、空襲で大半が焼け落ちたとはいえ、旧海軍時代に 建てられた近代建築物が現存しており、その中でも明治38年に建てられた呉海軍鎮守府司令長官官舎は、 入船山記念館として一般に公開されています。(地図上ポイントA)

以前は建物の中は博物館になっていたのですが、現在では博物館を外の建物に移し、 内装も当時の姿を忠実に復元しています。その復元たるや凄まじく、トイレまで当時の作りを再現して あるという、かなり徹底したものです。なお、現在は国の重要文化財に指定されています。 ちなみに、この建物は正面から見ると西洋風ですが、裏側から見ると、純和風といういかにも 明治時代的な構造をしています。

呉地方総監部 近代建築物といえばもうひとつ、明治45年に建築された呉海軍鎮守府庁舎(現・海上自衛隊 呉地方総監部) は赤レンガの美しい建物です。(地図上ポイントB)
この建物の特徴としては、玄関が表と裏の両方にある点で、元々海側を向いていた方(現在の裏側)が玄関 だったところが、山側に道路が整備された関係で山側(現在の表側)に同じ形の玄関をつけたといういきさつが あります。ちなみに、この手の建物では海側に向かって建てられるのが通例の様です。(が、敷地内に入れない ため、海側からの撮影はちょっと無理な気が・・・)

この建物の中央部にあるドームは、太平洋戦争中の空襲で消失してしまい、つい最近まで復元されていなかった のですが、最近になって復元工事が完了し、戦前の姿に戻っています。

なお、こちらは入船山記念館と異なり、現役の軍事施設なので簡単に中に入ることは出来ませんが、正門前から 撮影するか、あるいは少し住宅街の方へ上がって望遠で狙うなどの方法が考えられます。

関連情報はこちらへどうぞ・・・
呉市の公式サイト: http://www.city.kure.hiroshima.jp
海上自衛隊・呉地方隊: http://www.ic.jmsdf.go.jp/~kure/



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