Canon AE-1


AE-1 640*480





概説
AE-1は、このクラスでは世界初といえる4Bitのマイクロコンピュータを搭載し、 シャッター優先AE・CPU制御による大幅な自動化を実現しつつも、それまでの メカニカル式のカメラと比較して部品点数を300点以上削減した上に、内部構造を ユニット化する事で生産性を向上させ、高機能・低価格を両立したベストセラー機 です。

AE-1に搭載された4Bitマイコンといえば、電卓に使われている程度の、今から 考えれば非常に原始的なものですが、これを用いて露出制御、シャッターの動作、 ワインダーの制御・ストロボのシンクロなどを一元的に管理しており、これによって 基本的にはピントを合わせてシャッター速度を決めたら、後はシャッターを切って フィルムを巻き上げるだけという、それまでのカメラと比較して大幅な自動化を 達成することが可能となりました。

当時のAEは絞り優先/シャッター速度優先の2通りしかなかったのですが、 AE-1ではシャッター優先AEを採用しており、シャッター速度を任意に設定する事で 動感表現を任意に行う事ができる事からシャッターチャンスに強いとされ、 同時発売されたパワーワインダーと組み合わせ、シャッターチャンスを逃さない "連写一眼"のキャッチフレーズで一世を風靡しました。

そして、先に発売されていたCanonの高級一眼レフF-1と同じFDマウントを採用 していることから、レンズの選択肢が非常に広いこと・徹底的な省電力対策を 行っており、バッテリー切れが起こりにくい信頼性の高さも特徴の一つといえます。




購入までのいきさつ
元々我が家には、父が沖縄返還だか香港旅行に行った時に購入したAE-1が20年は居た のですが、父も私も視力が悪くなって、MFが扱えなくなってからというものの、ほとんど 使われることもなくタンスの肥やしになっておりました。

が、何を思ったのか、日頃はビデオカメラだけを持って四国遍路に出かけていた父が、 思い出した様にAE-1も持って出かけた際、持っていった事さえ忘れてしまい(笑) そのまま行方不明となってしまったのです。

ちょうどその頃、友人のJ.Kim氏がCanon EOSを購入したので、使わないからということで 戴いたAE-1が紛失したAE-1の代わりに我が家に一台きりのカメラとしてがんばっていた のですが、それも遂に'00年の秋以降、シャッターが切れなくなるという致命的なトラブル を生じるようになり、事実上のリタイヤ状態となってしまいました。

そのリタイヤ直前、リバーサルフィルムを使い始めたことで、銀塩の魅力に再び惹かれ 始めた私としては、再度AE-1をゲットしたいと考えるようになり、カメラ屋を注意して みて歩いていた時にたまたま目に付いたのが今のAE-1だったという訳です。そしてそのまま 衝動買いでお買い上げしてしまいました。




おつきあい
上でも少し書かれていますが、途中でブランクの時期や世代交代などありましたが、 このカメラは私にとって一番つきあいの長いカメラです。元々父が購入したものですが、 仕事柄日曜日が休日でない父に代わり妹の運動会写真などの撮影を始めたのが事の 始まりで、その後、何度もAE-1を借りては近所の自衛隊の基地際や広島港に訪れる船舶 などを事あるごとに撮って歩き、一時期はかなりの撮影枚数をこなしておりました。

当時、中級機とはいえ、結構いい値段のするAE-1を中学生程度の子供があっちこっちへ 持って歩くというのは、父にしてみればあまりいい気なはずもなく、私専用ということで コンパクトカメラを買ってもらったこともあったのですが、一度一眼レフ(しかも交換 レンズ付きで)を手にしたものが今更コンパクトカメラに戻れるはずもなく(笑)その後 しばらくAE-1を持って走り回る日々が続きました。

が、やがて歳をとり、就職する頃になると視力の低下がかなり激しく、MF機のAE-1では まともにピントを合わせる事が出来なくなってしまいました。そんな時に社員旅行で 松山に行った際、36枚撮り×3本分のフィルムを消費したのですが、そのときのスナップ 写真はほとんどが主被写体の2m奥に合焦していたという屈辱を味わうにいたり、一度は 銀塩写真から手を引いてしまいました。

その後数年間は主にビデオ撮影に専念しており、AE-1は長期出張の頃に数回富士山を 撮影した程度にとどまっていたのですが、C-1400XLで夜景撮影をやり始めて、その能力 の限界を感じ始めた頃、バルブ撮影機能の使えるAE-1に再び感心が向くようになり、 試しにリバーサルフィルムで撮影した結果、なかなかいい感じの写真が撮れたことから、 再びAE-1が戦線復帰するようになったのです。

さすがに今を去ること20年以上も昔のカメラですから、測光機能などはE-10などの 足下にもおよびませんが、何せ20年間使い続けているカメラです。完全に慣れて しまっているので、操作面についてはなんの不満もありません。強いていえば、最近は デジカメを利用していることが多いため、シャッターを切った後、フィルムを巻き上げる 操作を忘れてしまうことがあるぐらいでしょうか?

このカメラを長く使い続けたことで、シャッター優先AEによるシャッター速度 が撮影結果にどう影響するかは感覚でわかる様になったのは非常に大きな収穫でしたが、 反面、絞りを操作することがなかったため、被写界深度とか絞りの操作に関する部分は 未だもって感覚として身についていないのが泣き所です。(^_^;

このカメラの周辺機器は、以前からあった135mm F2.8望遠/50mm F1.4の標準/×2テレコン というレンズのラインナップに加え、最近新たに購入した28〜70mm F3.5〜4.5のAFズーム・ さらにパワーワインダーを追加し、さらに75〜200mm F4.5のAFズームと28mm F2.8を追加した事で、 後はマクロレンズさえ入手すれば、私としては何ら不満がない状態になっています。
(実質的には28,50,135mmの3本だけでやりくりしている状況です。)

そして、フィルター径が52mmである事から、ビデオ・C-1400XLとフィルター類の使い回しが 出来るという強みもあり、今後とも私にとって唯一の銀塩一眼レフとして活躍し続ける 事でしょう。





スペックシート
メーカー / 機種 Canon / AE-1
発売時期 1976年4月
光学系 レンズマウント FD
焦点距離 50mm
F値 1.4
受光素子 35mmフィルム
測光方式 TTL中央重点測光
露出制御 / 補正機能 露出制御 シャッター優先
露出補正 +1.5EV
シャッター / 絞り シャッター速度 B〜1/1000sec (電子制御式 フォーカルプレーンシャッター)
絞り F1.4/22 7枚羽光彩絞り
画像記録関連 該当項目なし
※ レンズ性能は交換レンズに依存
  データは1台目購入時付属のNewFD50mmのもの)




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