OLYMPUS CAMEDIA E-10


E-10 640*480





概説
E-10は、これまでのC-1400L,XL,C-2500Lといった普及価格帯ハイエンドのデジカメの 1ランク上、業務用機と民生機の中間を埋めるカメラとして'00年10月に発売されました。 レンズ固定式のL型ボティなど、C-1400Lシリーズから継承している部分もありますが、 業務用としての使用も視野に入れて作られたE-10は、これまでのモデルとは一線を画す 高性能機です。

まず、CCDは従来同様2/3インチのものを使用していますが、400万画素という画素数は Nikon D1,Canon D30を上回っており、それを活かすため、光学系もC-1400Lシリーズとは 全く異なる新規開発のものを採用し、4倍ズームでありながらF2.0〜2.4と非常に明るく、 解像度・色再現性にも優れています。

また、写真表現のためのマニュアル撮影機能は大幅に充実しており、露出制御がプログラム, シャッター優先,絞り優先,マニュアルの4通りとも使用可能であることは勿論、ほとんどの 撮影パラメータをマニュアル制御する事が可能でです。これだけならC-2000Zoom系統でも 実現していた事ですが、操作系は遙かに洗練されており、ほとんどの操作はメニュー操作で なく、ボタンとコマンドダイアルの組み合わせで実現可能という、非常に優秀なものです。

その他、3種類の測光モード、ピントの山がつかみやすいファインダー、レンズ交換式 一眼レフでは出来ない液晶モニターを使った撮影、暗いところでも精度の高いデュアルAF、 銀塩カメラと比較しても遜色ないレリーズタイムラグなどなど・・・正にOLYMPUSの本気を 感じることが出来る、本気で写真を撮る気にさせてくれるカメラです。




購入までのいきさつ
C-1400XLで写真の楽しさを再認識し、いろいろな所へ持っていっては撮影を繰り返していた 私ですが、その生活サイクルのためか(笑)夜景を撮影する機会が非常に多く、そうなると C-1400XLの限定された夜景撮影能力に不満を持つようになり始めました。

画質そのものは今でも不満はないのですが、何せ1/4secまでという早すぎるシャッター速度は 夜景や花火の撮影においてはいかんともしがたいものがあり、また、いろいろ不自由な所を 工夫で補いながらC-1400XLを使うのは、それはそれで楽しいとはいいつつも、やはりいつかは フル装備のカメラで撮影に挑みたいと思うようになったのは、ある意味必然的なものがありました。

そこで次世代機の機種選定に入ったのが、このHPを開設した2000年04月頃だったのですが、 当時はE-10の情報など影も形もなく、C-3030Zoom,C-2500L,FinePix S1Proが候補となって いました。が、C-3030Zoomは機能はともかく、実像式ファインダー機であるため、どうしても 購入に踏み切ることが出来ず、C-2500Lは絞りが2段しかないことと、店頭で操作をしてみた 際のフィーリングがいまいち気に入らず、FinePix S1Proはレンズなども新規に購入しなくては ならない点を考慮すると、価格面で折り合いがつかないという訳で、結論が出ないまま 数ヶ月が経過したとき、E-10の情報を入手したのでした。

この時期はC-2100UZやFinePix4900Zなど、高機能で一眼レフ(といってもビデオファインダー) が発売された時期であったので、一歩間違えば両者のいずれかを購入する可能性もあったのですが、 過去にビデオカメラを使った経験で、ビデオファインダーでのマニュアルフォーカスはほぼ不可能 であるという経験則もあり、また、ほぼ同時期に発売されたCanon D30を冬まで待って購入するという 選択肢も検討したものの、そこまでは辛抱できないということになり、結果としてはE-10の発売まで 待ち、そして広島市内で店頭に並ぶと同時に即購入したのでした。




おつきあい
購入の翌日、早速E-10を抱えこのサイトに集まる方々と共に撮影会に出かけたのを 皮切りに、E-10はフル操業状態となり、夜景撮影をはじめとして、あらゆる用途に 使用しております。

従来のC-1400XLでは32MBのスマートメディアだけで充分事足りていたメモリは、 遙かに高画素になったE-10では不十分である事から、340MBのマイクロドライブを 追加購入し、バッテリーもC-1400XLほど持たないこともあって、2セット分を 4セット分に増やし、従来C-1400XLで行っていたフィルター撮影をこなせるように 62mm径のフィルターを揃え、さらに夜景撮影用としてレリーズを追加・・・ その後しばらく なんの変化も無くやっていたのですが、購入から9ヶ月後の夏のボーナスで、Optioと 共にテレコン2本を購入し、さらにweb友達の結婚式撮影に合わせてストロボを追加した 事で、ほぼシステムとしては完成形になっています。

これまでの運用実績から見て、私の評価としては100点満点の85点といった感じで、 操作性・機能・画質ともほとんど問題ないのですが、3点ほど気になっているのは、 一つはCCDのサイズが2/3インチであるため、背景をボカした写真が撮りにくい事 (これは購入前からわかっていたことなので仕方ないところがありますが・・・)と、 広角側での樽型歪みがC-1400XLとほぼ同じぐらいあり、建物の撮影ではこれが かなり目立つ事、あとは雑誌でもよく言われていますが、シャッター速度の上限 が1/640secであるため、晴天下の日中で撮影を行う際に制約が出てくるといった ところでしょうか・・・

それから、発売当初E-10のシャッターは半押しの位置がつかみにくく、フィーリング が変だという記事を何度か見かけたことがあり、私自身購入当初はC-1400XLのはっきり わかるシャッター半押し・押し切りの感覚と比較して、違和感を感じたものですが、 慣れとは恐ろしいもので、最近はなんの抵抗もありません。

それに、夜景撮影で低速シャッターを扱うことが多い私の場合、このシャッターは 押すときに"じわっ"と押すことが出きるため、クイックリターンミラーによる ショックがない事もあって、かなりの低速シャッターでも手持ち撮影が可能です。

現状で、残る課題はマクロコンバージョンレンズをいつ購入するか? のみとなってます。(ワイコンに関しては、歪曲収差が目立つので購入予定はありません。)

今は最終兵器? N DIGITALが導入され、夜景の領域もα-7デジが導入されたことにより、 日中や屋外での出番は減っていますが、ボディ単体でシステムが完結する事による利便性と、 ほぼ完全にシステムが揃っていて、文字通りオールラウンドであること、我が家のシステム中 唯一TTL調光可能なストロボを有している事、2/3インチCCDサイズ故の被写界深度の深さが メリットとなるケースもあり、今後も縁の下の力持ちとして頑張ってもらう予定です。





スペックシート
メーカー / 機種 OLYMPUS / E-10
発売時期 2000年10月
光学系 焦点距離 9〜36mm (35mm換算 35〜140mm)
F値 2.0〜2.4
受光素子 2/3インチ400万画素 原色フィルタCCD (インターレーススキャン)
測光方式 デジタルESP測光 / TTL中央重点測光 / スポット測光
露出制御 / 補正機能 露出制御 プログラム / シャッター優先 / 絞り優先 / マニュアル
露出補正 +3〜-3EV 0.3ステップ単位
シャッター / 絞り シャッター速度 30〜1/640sec (メカニカルシャッター併用)
絞り F2.0/F11(W) F2.4/F11(T) 7枚羽光彩絞り
画像記録関連 記録メディア 3.3V スマートメディア (64MBまで動作確認) / Type2 コンパクトフラッシュ
記録方式 JPEG (Exif対応) / TIFF(非圧縮) / RAWデータ
記録画素数 2240*1680 / 1600*1200 / 1280*160 / 1024*768 / 640*480




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