KYOCERA CONTAX N DIGITAL


N DIGITAL 640*480





概説
N DIGITALは、Carl Zeissのレンズで有名なCONTAX初の一眼レフデジカメとして、 2002年5月19日に発売されました。既にレンズ交換式一眼レフデジカメは他社からも 各種のモデルがリリースされており、それ自体が目新しいものではありませんが、 このカメラの最大の特徴はなんと言っても世界初となる35mmフルサイズCCDを実装し、 交換レンズもデジカメでの使用を前提に設計されているという、デジカメの理想像を 追求した、ある意味究極の姿とも言えるカメラです。

開発発表が行われたのが2000年の9月・それから1年以上の間、沈黙状態が続き、 その間には、PENTAXも同じCCDを用いたデジカメの開発を試みたものの結果としては CCDの扱いにくさ・専用設計でないレンズ故の制約などから、結局断念したり、 当のKYOCERAも度々発売延期を繰り返したり、スペックダウンを行ったりといろいろ 波乱がありましたが、なんとか無事に発売にこぎ着ける事が出来ました。

カメラとしては、既に発売されている銀塩一眼レフのCONTAX N1をベースとしており、 他のカメラには見られない対角5点測距・フォーカスABC機能をはじめ、現在では あまり見かけなくなったアナログダイヤル式の操作方法・AF/MFの切り替えが事実上 不要のデュアルフォーカス機能など、独創の機能を満載しています。




購入までのいきさつ
このカメラの開発発表を聞いたとき、その設計コンセプトの先進性にすっかり惚れ込み、 いつかはこのカメラを手にしたいという思いはずっとくすぶっていたのですが、 それから主力機がE-10に移行した後も、如何に優秀なスペックを誇っていようが、 35mmフィルムカメラと比較した場合のボケの表現力は、そのCCDが持つ制約故に なかなか納得するレベルにする事が出来ず、またE-10の数少ない弱点として 広角側での歪みが(私基準では)大きいことから、これ以上歪みが大きくなるのを承知でワイコンを 使う気にもなれず、かくて次世代主力機の候補としてN DIGITALが浮上してきたわけです。

対抗馬として考えられたのは、NikonのD1xだったのですが、このあたりは半ば趣味の 問題ですが、デザイン的にN DIGITALの方が気に入ったこと、D1xのCCDは正方画素では 無いこと、次世代機として購入するにしては既にリリースから一定の期間が経過して いて、遠くない内に、これを上回るスペックのデジカメがリリースされると予想された 事などから脱落・Canon EOS-1Dは、D30と違って生物的な曲面構成のデザインがどうしても 気に入らず、N DIGITALの発売を待って導入することを正式に決めたのが発売発表の あった2001年の末の事でした。

その後、発売延期にやきもきしながらも、その間に着実に貯蓄も増やし、発売と 同時に即購入となったのでした。




おつきあい
ある意味、このデジカメほど冒頭から使い込んでいるデジカメは無いかも 知れません。と、言うのもこのカメラを購入したのは5/24だったのですが、その翌日には いきなり会社の後輩の結婚式があり、まだカメラの癖はおろか操作も熟知していない 状況・しかもストロボなどのアクセサリーも不十分な内から、E-10と共に初陣を飾り、 扱い慣れた上にフル装備のE-10は狙った通りの絵を叩き出す一方、ノイズ特性とか ホワイトバランスの癖を読み切れていないN DIGITALは見事に失敗作の嵐・しかし、 その潜在的な情報量は凄まじいらしく、失敗作を救済するためにレタッチを行うと、 少々絵をつつき回してもほとんど絵が劣化しないのには正直言ってびっくりと いった感じで、潜在的な実力の高さをまざまざと見せつけたのでした。

レタッチを行って露出とホワイトバランスを手直しした絵でE-10と比較すると、 今度は被写界深度の差がもろに響いてきており、E-10はピントは外しにくいものの 背景があまりボケないのに対し、N DIGITALはピントを外すことは結構あれど、 ピントが当たっている時の絵は文字通りメインの人物とかは綺麗に浮き上がり、 思わず"おおっ!!"と感動してしまったのでした。これぞ私がこのカメラに 求めていたものだけに、ただただ大喜びです。

しかし、いろいろな条件でテストを行ってみると、夜景撮影は事実上不可能に 近かったり、バッテリーは連写不可能だったり、カタログ値は20万画素といいつつ 妙に出来の悪い液晶モニタ・しまいにはAFイルミネータのレンズ内に ホコリが入っていたりと・・・ 今時の日本製品とは思えない品質管理の 粗悪さやデジカメ部の出来の悪さに泣かされっぱなし・・・ ドイツのブランド名を 冠していながら、"車でいえばイタリア車"と形容される始末・・・(爆)文字通り いろいろな意味で振り回されてきましたが、さすがに運用開始から2年以上経つと、 電源廻りの問題もかなり改善され、RAW現像処理のノウハウ蓄積などもあり、現在では Nデジ本来のメリットである、写欲をそそる美しいファインダー・広いダイナミックレンジ・ 超広角の活用などの恩恵を享受しております。こうなって来るとしめたもので、夜景と 屋内撮影以外の分野ではフル回転しています。(^-^)

当初、24〜85mm,70〜300mmのズームが2本・50mmの単焦点が1本の3本でスタートした 我が家のNデジシステムも、その後100mmマクロ・17〜35mmズームを追加し、京セラの CONTAX事業撤退のニュースに踊らされて中古でゲットした400mmを加えた事で、 焦点距離にして17〜400mmをカバー出来るようになり、トドメに人物/スナップ用として 85mmをゲット・とうとう、デュアルフォーカス対応レンズは全て揃えてしまいました。(^_^;

あとは、ストロボ撮影に制約があるので、本格的なストロボ撮影は考えていないものの、 ちょっとした撮影用として、小型ストロボ(TLA200)をプラスしてます。残りは接写リングを 買い足すぐらいでしょうか???マウントアダプター経由でCONTAX 645のレンズとかに手を出すとか いう恐ろしい考え(笑)には、今のところ到っておりませぬ。(^_^;





スペックシート
メーカー / 機種 KYOCERA CONTAX / N DIGITAL
発売時期 2002年5月
光学系 レンズマウント CONTAX Nマウント 焦点距離 50mm
F値 1.4
受光素子 35mmフルフレーム624万画素 原色フィルタCCD (フレームトランスファー方式)
測光方式 評価測光 / 中央重点平均測光 / スポット測光
露出制御 / 補正機能 露出制御 プログラム / シャッター優先 / 絞り優先 / マニュアル
露出補正 +2〜-2EV 0.3 or 0.5ステップ単位
シャッター / 絞り シャッター速度 32〜1/8000sec (メカニカルシャッター併用)
絞り F1.4〜F16 7枚羽光彩絞り
画像記録関連 Type2 コンパクトフラッシュ(512MB / 1GBマイクロドライブ対応)
記録方式 JPEG (Exif対応) / TIFF(非圧縮) / RAWデータ
記録画素数 3008*2008
※ レンズ性能は交換レンズに依存
  データは1台目購入時のPlanar 50mmのもの)




上の階層へ
前画面 Home 次画面