OLYMPUS E-420


E-420 640*480





概説
E-420は、2007年4月にリリースされたE-410の後継機として、E-410のリリースからほぼ1年経過した 2008年4月17日にリリースされました。

2007年にフォーサーズ規格の第2章として、E-410,E-510,E-3の3機種によるラインナップを構成し、 E-410はそのコンパクトさとスタイリング・E-510はコストパフォーマンスの高さと高機能・E-3はフラッグシップの 名に恥じない高性能と高く評価されましたが、E-3を除く2機種については画質面・特にダイナミックレンジの狭さが 弱点として挙げられる様になりました。また、出現当時はまだ少数派であったライブビュー機能が他社製品でも 見られる様になった事や、フォーサーズ第2章ボディの中では最後発となったE-3と対比してファームウェアは 一世代古いものとなっている事もあり、これらの問題点に対するOLYMPUSの答えがE-420/E-520となって 形になりました。

E-420の外観は、E-410と比較してさほど差があるものではなく、E-500から流用したダイヤル類を一新して 高級感を増した事と、グリップ形状を変更して多少ホールディング性を向上させた程度ですが、画期的なのは ファームウェアが一新された事とE-3に匹敵する高ダイナミックレンジのLiveMOSを新規採用した事で、 これによりE-3と同等画質を得られる様になった事、一部のレンズでは高速なイメージャAFが利用可能となった 事で、ライブビューの実用性が一段と向上した事がトピックです。画質が向上したというのはかなりカメラの 本質的な性能アップであり、単純なマイナーチェンジ以上のものがあるのですが、それを先代E-410と比較して かなり戦略的な価格設定で販売するという思い切ったマーケッティングを展開しています。



購入までのいきさつ
昨年4月にE-410を導入して以来、将来的な我が家の中核戦力としてE-Systemを使えるようにと、順次 レンズの整備が進んできて、それに伴いE-410の活躍するフィールドも広がっていったのですが、そうなればなるほど E-410最大の弱点であるダイナミックレンジの狭さが風景写真用機材としての弱点を露呈する様になって来ました。

そして2008年の2月時点でレンズはHigh-Gradeシリーズが3本・Standardシリーズが2本・パナソニックのLEICAレンズが 1本というところまで強化されてくると、それに見合うだけの実力を持つボディが欲しいと思う様になり始めたところに E-420の発表です。当初、同時発売の25mmパンケーキレンズのみ購入して、E-420の購入は無理があるので見送ろうとも 思っていたのですが、この時期にちょうど会社の同僚の結婚式と自分の新婚旅行という大きなイベントが持ち上がって 来たので、一生に一度あるかないかの大イベントで、たかだか4万円程度の出費をケチって後悔するよりは、無理してでも これを買って全力で事に当たりたいという思いに駆られる様になり、結局同僚の結婚式前日にお買いあげとなった次第です。

一応、購入に際してのライバル機としては、同門のOLYMPUS E-3と、全く毛並みは異なりますが、SIGMAのDP-1の名前が 挙がっていたのですが、DP-1はGR DIGITALと運用がブッキングすること、E-410の問題解決にはならないという2つの事情から 早々に脱落し、残るE-3は、E-420だとE-410の今後を考えた場合、完全に用途が重複する機種である事からE-410が無駄に なってしまうのに対し、E-3であれば、E-410との棲み分けが可能である事から、E-410を活かすか殺すかによるコストの 問題を考慮した場合、金額の格差はかなり縮んで来ますから、最後までかなり悩む事になったのですが、不幸にも この時期に愛車のカーナビが壊れるという事態を受けて予算圧縮の必要が生じた事から断念したという経緯があります。





おつきあい
先にもある様に、今回の初の実戦投入は同僚の結婚式で、同時購入のストロボと組み合わせて屋内撮影で運用し、その 3週間後には新婚旅行で初のヨーロッパ遠征の強力な2号機としてNデジと共に出陣しました。

使用してみた感想ですが、はっきり言って画質面での向上が著しく、撮像素子のダイナミックレンジ向上と シャドウ・アジャストメントテクノロジーの組み合わせによる相乗効果は、少なくとも600万画素CCD機のα-7DIGITALに 十分対抗出来る水準に達していると思います。画素数アップや撮像素子サイズが小さい事を勘案すると、これは 凄い話で、ここまで来れば、とりあえず画質面での心配をしながら撮影するという事は払拭されました。
正直、これまで、我が家で条件が最高に整った場合で最も画質に勝るのはN Digitalだと思ってましたが、今回の 新婚旅行での実績を見ると、とうとうN Digitalを越えたかな?とも思います。OLYMPUSのフラッグシップ機と並ぶ 画質になったというのは伊達では無いとおもいます。それが新発売にも拘わらず\46,000-で購入出来た訳ですから、 バージョンアップ代と思えば十分に納得できます。

操作性とかは、E-410と大差ありませんので、逆に言えば過去1年の運用経験があり、既に慣れているのと、グリップ部など 多少とはいえ改善された事もあって、基本的な操作には不満はありません。ただ、デザイン的な問題やE-420の位置付けとも 絡む話なので、無い物ねだりと言えばそうなんですけど、絶対的な操作ボタンの少なさ故に、スーパーコンパネ経由の オペレーションが若干煩わしいのと、凝った操作をしたいときのメニュー階層が判りづらい点もE-410譲り・・・というか さらに高機能になった分、悪化したかも知れません。このクラスのローコスト機でハイエンド機と同等のことをやらせようと 言うのですから、多少やむを得ないのかも知れませんが・・・ あと、5taro手持ちのカメラでは初の顔認識機能となりますが、 認識率は高く、加えて、使うレンズによってはコントラストAFで顔にピントを持っていってくれるので、案外使えます。 そのコントラストAFも不満無い早さで動作します。ネックなのはレンズを選ぶ点でしょうか?

システム構築については、既に1年かけてレンズを充実させてきており、Standardシリーズの14-42mm/F3.5-5.6と40-150mm/F4-5.6の ダブルズームに加えて高画質を求めてHigh Gradeシリーズの12-60mm/F2.8-4.0と50-200mm/F2.8-3.5のダブルズームという組み合わせ に加えて、単焦点は50mm/F2のマクロ・パナソニックの25mm/F1.4・スナップ用にパンケーキの25mm/F2.8・更に旅行用で1.4倍 テレコンを補強した事、加えて安価ながら外付けストロボのFL-36Rを導入した事で、従来E-10に頼りっぱなしだった ストロボ撮影もかなり改善出来そうです。(ストロボチャージの早さで負けるのと、2灯炊き出来ない弱点もあるので、 ストロボ撮影のみに限っては未だE-10に勝てませんが・・・)






スペックシート
メーカー / 機種 OLYMPUS / E-420
発売時期 2008年4月
光学系 焦点距離 25mm (35mm換算 50mm)
F値 1.4
受光素子 4/3インチ1090万画素 原色フィルタLiveMOS
測光方式 49分割デジタルESP測光 / 中央重点測光 / スポット測光(シャドー/ハイライトコントロール付)
露出制御 / 補正機能 露出制御 プログラム / 絞り優先AE / マニュアル / シーンセレクトAE / シーンプログラムAE
露出補正 +5〜-5EV 0.3ステップ単位
シャッター / 絞り シャッター速度 60〜1/4000sec(マニュアルモード時)
絞り 7枚羽根虹彩円形絞り
画像記録関連 記録メディア xDピクチャカード/コンパクトフラッシュ
記録方式 JPEG (Exif対応) / RAW
記録画素数 3648*2736 〜 640*480
※ レンズ性能は交換レンズに依存
    データは購入時のLEICA D SUMMILUX 25mm F1.4 ASPHのもの)



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