Heddon


へドンはトップウォータープラッガーにとって原点と言っても過言ではない。
ザウルスの則さんも、道楽の山根も、ズイールの柏木もみんなへドンがルアー作りのルーツとなっている。
かく言う私達も、少年時代にはへドンに憧れ、少し無理をして買ったときはうれしくてずっと眺めていたものだ。
そしてそれは20年近く経った今でも、タックルボックスに常に入れられ第一線で活躍している。
私達がこうしてトップの釣りを楽しめるのもへドンがいたからこそである。
偉大なるジェームス・へドンに敬意を表し、彼と彼の息子達が世に送った優秀なルアー達をここに紹介したい。

 ORIGINAL ZARA SPOOK
ザラ世界NO.1ペンシルベイトの名にふさわしく、バスフィッシャーマンなら誰もがその名を知り、そして高く評価されているルアーである。バスプロの中にも、トーナメントを勝つためのルアーの一つとして、このザラをボックスに入れている人がいる。
初登場は1939年。なんと60年前のこと。ラインアイのヒートンが頭の先端に打ち込まれた、則さんの好きなファーストザラ。ボディーの真中に真鍮のプレートが使われたセカンド。ソリザラと言われるサードザラ。そして現行のザラと、私の知っている範囲ではこんな感じでマイナーチェンジされてきたと思うが、基本的なデザインは初めから変わらないのがすごいところ。現行のザラでいうと、浮水角度は30度くらいであろうか頭を持ち上げ斜めに浮き、チョンチョンとロッドをあおると、しぶきを上げながら頭を左右に振る。これが本家本元のウォーキング・ザ・ドッグアクションである。細かく連続的にロッドをあおると小さく速く頭を振り、ゆっくり目に一回ごと一呼吸おくような感じでロッドをあおると長くスケーティングする。アクションのつけ方次第で、扱う人の意思通りにすばらしい動きを披露してくれる。プラスチック製のほかウッド製のザラがあり、バリエーション的にどういう位置付けなのか良くはわからないが、これもなかなかにすばらしいアクションをする。プラスチックよりも水平ぎみに浮き、水に絡むスケーティングが得意である。
私達も皆が愛用しており、「困ったときのザラ頼み」と言うくらい信頼度は高い。真昼間でも釣れてしまう脅威の能力を持つ。特にAndoがいつも使っており、安くて良く動き良く釣れると絶賛している。かつてスーパーザラスプークで、リトリーブだけで釣ってしまうという快挙があった。(写真は左から1st、2nd、3rd、現行、wood)
 MAGNUM TORPEDO
マグトー魚雷という意味の名前を持つこのルアーも、ザラ同様ほとんどのバスフィッシャーマンに名前が知られている超有名ルアー。シングルスイッシャーといえばこのルアーが真っ先に頭に浮かぶ。誕生は資料によると1969年で、私と同じ年である。製造年によって、ペラが直ペラといわれるやや厚みのある重めのペラであったり、ひねりの入ったペラであったり、リグについてはカップリグであったり、サーフェースリグであったりという違いがあるようである。現行品しか使ったことがないが、アクションについていえば、ドッグウォークとスイッシュ音がすばらしい。ただ巻くだけでも、ジョロジョロとすばらしいスイッシュ音を発するし、また1回のアクションでの移動距離が少ないので、ピンスポットで動かすことができる。小刻みにロッドをあおれば、実に反応よく頭を振る。この反応のよさは頭の形状からくるのか重量バランスからくるものなのか、これだけ頭を振りやすいスイッシャーはなかなかないと思う。どんな状況でも、どんな場所でもオールマイティーに使える万能ルアーである。ただ私たちの間では、若干サイズが小さいため使われる場面は少ない。
 CRAZY CRAWLER
クレイジーノイジーの代表作といえば、ジッターバグか、このクレイジークローラー。初めて使ったのが中学生のときだったが、本当にクロールする様を見て、大笑いしたのと同時に深く感動した。ボディをひねりながら左右のウイングを交互に持ち上げクロールする姿は、さすがへドンと思ったものだ。デビューは1940年。ヘドンのオリジナルではなく、もともとはジム・ドナリー社のWOWというルアーが元祖で、ヘドンがパテントを買い取り、改良してできたもののようだ。年代によってリグが違うようだが、ウッドのタイプはウイングがすごい。現行のプラものはウイングが小さくつけ方も簡単だが、昔のはでかいウイングを凝ったリグで付けてあり、とてもカッコよく思う。アクション的には、音と泡を出しながらのクロールを生かしたスローリトリーブ、あるいはストップアンドゴーでひくだけでいい。チョンチョンとロッドアクションで頭を左右に振らせることもできるが、ポコポコと音と泡を出したほうがいいように感じる。特に夜は強いアピール力が最大限に生かされる時である。ただ、マグトー同様、私たちの間では若干サイズが小さいため、使われる場面は少ない。
 LUCKY 13
ラッキー13ヘドンが誇るダーターの代表作。プロトタイプは1918年に開発されたウイグルキングで、ヘッド部分のカットが斜め一直線に近いものだったが、カップ形状などさまざまな改良が施され現在のラッキー13になったらしい。昔はダーターという分類を知らず、ポッパーの仲間だと思っていた。だから音をさせるのが本来だと思っていたわけで、ダートアクションをさせるなどというのは思いもつかなかった。このテのルアーは、アクションが好みでないのか、巻くと潜るからなのかわからないが、どうも好きになれずほとんど使ったことがない。メンバー唯一のラッキー使いAndoによると、アゴをうまく使って、ほとんど移動させないように首を振らせたりモゾモゾとした動きをさせるのがいい。バスを威嚇するつもりで、おもいっきり大きな音をさせても釣れることがあるとのこと。実際この技でAndoは大晦日の釣行で釣っている。ちょっと潜らせるというズルイ技もできるようだ。
 ZARAU
ザラUたしか、オリジナルザラスプークではうまくウォーキングザドッグができないという初心者のために作られたルアーだったと思う。ザラよりも移動距離の少ないピンポイントでの首振りが得意である。昔のタイプはラトルが入っており、これを好む人も多い。個人的にはラトルはあまり好きではないが、現行品と比べると古いタイプの方がツーと滑るウォーキングザドッグで私は好きだ。今のはなんかチョコチョコしているだけで、あまり好きにはなれない。現行品のアイの位置を変えてみたりしたが昔のような動きにはならない。残念だ。

by Tamura


 MAGNUM TIGER
タイガーご存知、則さんの好きな反射板内蔵のマグナムタイガー。これぞライブリー。というかミノーかな。クネクネ泳いで、ストップ・アンド・ゴーでドッカーンとでてくる。



by Tamura


 MEADOW MOUSE
メドウマウスネズミに似ているが不思議と気持ち悪くはない。登場は1929年で、1956年からはプラスチック製になった。カタログに載ってても店には並べられていなかったので、そろそろ製造中止になるんじゃないかと思ってたら、最近はすごい勢いで大量に販売されている。バリエーションにザラマウスというのがあり、リップと腹のフックがなく、尻に大きなシングルフックが固定されている。
アクションは、金属製のリップが水を受け、クネクネと体を揺らしながら泳ぐ。きっと本物のネズミもこのように泳ぐのであろう。ただ巻きすればいいものだと思っていたが、ロッドでチョンチョンとアクションをつけると軽快に頭を左右に振ることができる。中学生のとき、連発でライギョを釣り上げた実績がある。サイズがやや小さい反則ぎりぎりサイズ。


 WOUNDED SPOOK
ウーンデッドスプーク則さんがはじめてバスを釣ったルアー。私がトップではじめて釣ったのもこのルアー。前後のペラの向きが同じだから、ボディが回ってしまう、と書いてあったので、ペンチでよじって向きを変えました。則さんはこれを改良して、前後逆回転のホッツィートッツィーを作ったらしい。



by Tamura


 WOUNDED ZARA
ウーンデッドザラこれ、最近高い値がついてるらしいですね。個人的にはこの眼つきが好きで、高校生のとき買ったんだけど、お尻が太くて重いので、ピンポイントでの首振りはさすがです。これはレッドヘッドの塗り方をたぶん間違えたんだろうと思うんだけど、通常背と腹が赤い塗りの部分が伸びているはずなのに、これは横がそうなっています。


by Tamura


 HEAD PLUG
ヘッドプラグこのルアーは昔小さい方を持っていたので、大きいのが欲しくなって、いろいろショップに問い合わせたのだけれど、そのころはこのルアーを知っている店はあまりなかったんです。でも最近は有名になりましたね。何と言ってもこのデザインがすばらしい。僕好み。目つきもね。ポップ音させても良し、モジモジさせても良し、泳がせても良しの万能ルアーです。


by Tamura


 210 SURFACE
#210シャンプーハットではない。こちらが本家本元の襟巻き付き210サーフェース。みんなにシャンプーハットと言われるため、持ち主も間違えて言ってしまうことがある。元々はライギョ釣りで藻穴のピンスポット攻めのために買ったが、あまり使われずに最近になってバスでやっと日の目を見た。ダブルフックのためブッシュの奥に放り込めるが、その分フッキングが悪い感じがする。また、襟巻きを使ってほとんど移動させずにテーブルターンができるはずだが、ちょっと強く力を入れるとうまくいかないのでやや難易度が高い。


 BIG BUD
ビッグバドボディがバドワイザーの缶になっているすごい発想のルアー。こういうユニークなデザインをしたヘドンてすごい。登場は1975年ということだが、写真はテールのブレードが直に付いている旧バージョン。この方がスプリットリングで付けられている今のモデルより、ブレードが当たるカシャカシャという音がいいらしい。シルエットほど実際は大きくはなく意外と小ぶりだ。浮力が高くキックバックやモゾモゾとしたアクションが得意だが、巻き上げ時に潜ってしまい水の抵抗もすごいのが難点。「Ando」はこのルアーが好きでよく使うが、巻き上げ時の大きな抵抗によってボートを動かしてしまうのでいつも怒られている。



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