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KAMWOOD SYNDROME
〜とある神林狂いの日常〜

■過去の日記03(`01年11/2〜11/30)

<ふりむけば……>
 とりあえず、分量だけは書けましたね。「言葉」ネタで語り始めたら長くなっちゃうのはある程度予想していたけれど、やおい系(っつーか零=織田裕二)ネタが結構多いあたりが……ちと反省(^^;;)。いや、ネタ自体の良否じゃなくって、文章が長いだけで散漫なんだもん。
 そのわりには、「話したくてしょうがないこと」はほとんど話せていないな〜(^^;;)。
 一応(?)このコーナーの作成動機である「深井零とキリコ・キュービィの比較」はモチロン、「読了した作品の感想」だとか、「深井零の前科について」とか、「がんばれ! エディス!」とか、口頭で話せれば、今すぐにでも30分〜1時間は平気で喋りまくれるようなネタが、まだ全然話せていない〜〜(T_T)(T_T)。
 こんなとりとめもない内容のページを覗いてくださる方々には、ただただ感謝ですm(__)m。
kayako拝)

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更に補足(11/30)

 しつこくてスミマセン(^^;;)。更に「FAF語を使う」=「機械に近い存在になる」という話題について。
 ひとつ気になるのは、ジャクスンの「デジタル的、機械的FAF用語が、深井中尉を人間よりはその愛機に近い存在にしていた」という表現は、単なるレトリックなのか否か?ということ。
  どうも、その後に「どうして母国語を使わないのか? 人間にもどるのが怖いのか?」なんて疑問を呈しているところを見るに、彼女自身の感覚としては、「FAF用語が、深井中尉を〜その愛機に近い存在にしていた」というのは、「自分の目にそのように見えた」ということを表すレトリックにすぎないと言えそう。

 でも、わたしは、レトリックではなく、文字通り「言語(FAF語)が人間(零)の意識を変える」…というイメージを持っています。つまり、「言語が人間の認識や思考を決定する」という考え方ですね。
 「FAF語を使う理由」それ自体は、現実的な必要に迫られてのものであっても、「使うこと」そのものが、使い手(零)の認識や思考を、その言語に合ったものに変えていくということもあり得るのではないか……というイメージをわたしは抱いております。
 わたしがこの考え方(言語決定論)に触れたのは、今を去ること十数年前の学生時代ですが、大教室の最前列で爆睡しながら聞いた授業の内容を、このトシになっておさらいすることになろうとは……(^^;;)。

 と、思い出話はさておき、「戦闘妖精」の回では、コンピュータのような「電子知性」や「機械」に対する人間の不安──使い手の意図を離れて自走し、自己増殖し、ついには使い手である人間の方が逆に支配される──が語られています。実は、その不安って、前年に発表した「言葉使い師」や、後の『言壺』で語られる「言葉」に対する不安や恐怖とまったく同じなんですよ。

 神林作品の中では、「機械」と「言葉」はしばしば「同じもの」として扱われているのは有名な話ですが、これって、実はスゴイ発想ではないだろうか(^^;;)。
 わたし自身は、「言葉」フェチの気は多分にあるものの(^^;)、「機械」「メカ」にはまったくの不感症なんですよ。だから、たとえば「スコープドッグ」と「普段自分が使っている言葉」が「同じ」か?と問われたら、「同じなわけないでしょ」って一言で切り捨てちゃいますよ。でも、神林の語り(騙り?)の中でそういうこと言われちゃうと、なぜか、「ああ、そうだな…」って思っちゃうんですよね〜。いったい、いかなるマジック(ペテン)にかけられたのか(笑)。
 まあ、わたしとしては、「手品のタネ」の見当は実は既についているのですが……それは、次のページで(笑)。


いくらか補足(11/29)

 (23日の話題に戻る)零が、日本人相手に自分の母語である日本語を使わずFAF語で押し通した件について、「外国語を使う環境に馴染んでいると、母語へのスイッチに手間がかかるから」「零のパイロットとしての語彙はFAF語のものしか持ち合わせがなかったから」という、プラグマチック(?)な理由を推測してはみましたが、彼に対するジャクスン女史の「人間よりはその愛機に近い存在」という印象自体には同感なんですよ。
 ただ、「愛機に近い」=「人間性が乏しい」とは言い切れないんじゃないかと思うわけです。
 人間が対象への「親密さ」を感じる順位を決定する要素はフクザツで、単純に「同じ人間同士だから…」で「親密さ」を感じるとは限らない。「見ず知らずの他人よりペットの猫(の方が大事)」というのだって、充分過ぎるほどに「人間的」な感覚と言えます。たとえば、もし仮に自分の愛犬や愛猫がどこかの人間にイタズラされて殺されでもしたら、その相手に対して殺意を覚えたとしても、それは「人間として」ごく自然な感情だと思うのです(復讐を実行に移すかどうかはモチロン別の話ですが)。むしろ、「たかが犬猫のことでそこまで……」なんて言って、ものわかりよく諦めちゃう人間の方が、わたしの感覚では「人間性」にモンダイがあるような気がします(^^;;)。
#「他人事」なら、そういう「正論」もいくらでも言えますけどね(苦笑)。

 そういう意味で、(たとえ同国人であっても)見ず知らずの他人よりも、愛機の方にシンパシイを寄せる零は、わたしから見れば、とても「人間らしい」。もちろん、雪風は零のペットではないし、ジャクスン女史から見れば「ただの機械」に過ぎないのかもしれないけれど、それを言っちゃえば、ペットだって、人間だって、当事者以外の人間から見れば、「ただの犬」「ただの猫」「ただの男」「たかが女」……ですからねぇ。
 ブッカー少佐の零への弁護めいたセリフは、その辺りのことをよく解っているから、出てくるんじゃないかしらね。


無意識が呼ぶ…(11/25)

 今、土曜日に衝動買いした(^^;;)『未来警察ウラシマン』のDVDを観ております。『ボトムズ』とほぼ同時期に放送されていたこの作品、本放送当時以来、約18年ぶりの再会……のハズなのですが、なんか、5話と6話だけは、割と最近観たような記憶があるぞ……(^^;;)。再放送してたのかな?
それよりも、観てビックリだったのは、これ、『敵は海賊』に似てる! ……イヤ、発表時期的には逆か?(^^;)

 特に、『敵海』の主人公コンビ(トリオか?)の上司、チーフ・バスターは、わたしの脳内では絵柄(俳優さんではなくてアニメ絵なのです)と声のイメージがかなり明確にあったのですが、それって、『ウラシマン』の権藤警部そのものでした(^^;;)。自分では、そのイメージに元ネタがあったなんてことはすっかり忘れていたんですけどね〜(^^;;)。
 してみると、アプロ=リュウ、ラテル=クロード、ラジェンドラ……は、機動メカ分署(マグナマー38なんて立派な名前があったとは知らなんだ)が喋れれば完璧だったんだけどねぇ(^^;;)。ソフィア…は、マーシャ・Mかな? いや、ソフィア=ラジェンドラというのもありか? 普段は一番優等生だけど怒らせるとコワイというのが同じだし。敵方も、ヨウ冥みたいなヒト(ルードヴィッヒ)がちゃんといるし〜(笑)。
 いや〜、実は、初めて『敵海』読んだときから、ず〜っと「何かに似てる…どこかで見た……」という感覚がど〜しても抜けなかったのですが、積年のナゾがようやく解けました(^o^)。あ〜、コレだったのか〜!(スッキリ)

 とはいえ、『敵海』シリーズは、まだ一番最初の短編と、長編2作目の「猫たちの饗宴」までしか読んでないんですけどね(^^;;)。でも、今回改めて発見したのですが、『ウラシマン』って、キャラや話のノリだけじゃなくって、細かいところもすごく「神林っぽい」んですよ。まず猫(ミャア)がいるし〜、未来世界のエアカーに馴染めないリュウが「やっぱ輪っかがなくっちゃ」って、過去の世界から自分が乗ってきたクルマを改造しちゃうところとか、メカの発進シークエンスを丁寧に描いているところとか……

 ちょっと前に友人の掲示板で「『ウラシマン』が好きだった」なんて 話が出て、もう一度観たいな〜とは思っていたけれど、そのときはまさかDVD買ってまでとは思わなかったのに……たまたま、土曜に買い物に出た先で20%オフだったもので、衝動買いしちゃったんですよね〜。これも、もしかして「呼ばれて」いたのか??(^^;;)


長いです…(^^;;)(11/23)

 もしかして今日の分だけで、『ボトムズ』の雑文1回分と同じくらいのファイルサイズかも……

 引き続き、「言葉」の話題。
 神林作品群に頻出する「はじめに言葉ありき」「言葉が現実を作る」という考え方は、「言語が人間の思考や認識を規定する」という考え方(言語学の世界ではサピア=ウォーフの仮説というらしい)と同種のものだとわたしは受け止めております。もっとも、反論として、「人間の思考や認識の方が先にあり、そこから言語が発生する」という考え方も当然存在するわけで、神林作品の中でも、「言葉」によって作り替えられてゆく「現実」に対して、「言葉」以前の「想い」によって立ち向かう……というシチュエーションもしばしば書かれます。
 過去の作品の解説や、あちこちで拾い読みした評によると、『グッドラック』が発表されるまでの『雪風』は、そういった「言語と世界認識の問題を扱った思弁的な作品」とは別系統の作品とみなされていたようです(SFマガジン誌上で『グッドラック』の後半部分が発表されると共に、その評価も変わるわけですが)。でも、改めて「戦闘妖精」の回を読み返すと、モロに「そういう系の話」なんですよね。
 石堂藍さんのリストによると、「戦闘妖精」の初出はSFマガジン83年5月号。「言葉使い師」が発表されたのは、その前年ですか……

 久しぶりに彼は祖国の人間と話す機会を得
た。だが彼は日本語を使わなかった。彼は
自分の言葉がうまく祖国の人間に伝わらない
ことに苛立った。苛立ちながらも彼は母国語
は口にしなかった。自分の意志は日本語では
表現不能だと彼は思った。彼は祖国の言葉を
忘れた。

■旧シリーズ第七話「戦闘妖精」冒頭のエピグラム
今回も改行位置は原文ママです。
 文庫本の版面だと、各行の下端(横書きでは右端)がぴったり揃うようになってます。

 初めてこの箇所を読んだときは、零の「孤高のヒーロー性」を強調しているだけかと思いました。「祖国を捨てたヒーロー」なんて「祖国のために戦うヒーロー」と同じくらいよくある話だし。「言葉を忘れた」の部分はほとんど読み飛ばしちゃっていた。
 でも、今読み返すと、神林作品で「言葉を忘れ」るということが、どれほど大きな意味を持つのかが感じられて、改めて、「おお!」と感動するワタシ(^^;;)。

 「合理的だが非人間的」「機械と話しているよう」というリン・ジャクスンの「FAF語」への評は、そのまま作中における特殊戦に対する外部の評に置き換えられます。そう考えると、零とブッカー少佐が「FAF語」と己の母語*に対して、対照的な反応を見せているのが面白い。

注:作中では下記のように「母国語」という言い方をしていますが、それだと「nation(国家・民族)」の概念が入ってきちゃいそうなので、本日の日記の地の文では「母語」という表記を使用します。いわゆる(?)「mother tongue=子供のとき最初に覚えた言葉」、ですね。

「美しいな……なつかしいよ」少佐は母国語をやっと思い出したというように正調な英語で言った。「もう五年以上故郷に帰っていない。気がつかなかった……FAFでは言葉も変化しているんだ。それがわからないとはな。ぞっとする。故郷(くに)の言葉がこんなに美しく聞こえるなんて……たしかにここは地球なんだな」

 ちょっと話は逸れますが、専門知識や厳しい訓練が必要とされ、組織の拘束が厳しい職業──たとえば、警官・消防士・スチュワーデス等々──の人って、オフのときも、口調や身ごなし(女性の場合は化粧の仕方とか)から職業上の雰囲気が抜けないみたいですね。一面識もない相手と街中ですれちがっても、同業の人間同士だと一目でわかるとか、本人にその自覚がなくても、外部の人間から見たら明らかに「違う」感じがするとか…ということがよくあるみたいです。「FAF語」を、その手の職業の「符丁」や「業界用語」のようなものだと考えれば、ブッカー少佐の「ぞっとする」という感覚は、ふとしたはずみに「骨の髄まで仕事人間になってしまった自分」に気づかされて愕然とする……といったシチュエーションにたとえられるかも。
 もっとも、少佐の恐怖感は更に切実なもので、「(その必要がないときに)FAF語を話す自分」は「仕事人間」よりも更に無機的な「機械そのもの」に感じられるようです。故に、外部の人間であり、「言葉」のプロフェッショナルであるジャーナリストとの会話には、意識して自分本来の母語を使おうとする。
 この回に限って言えば、「母語」というのは、「その人間本来の人間性の象徴」として解釈することも可能かもしれません。無重力空間では筋力が衰えてゆくように、日常ではFAF語を使うフェアリイでは、トレーニングのように意識して使わないと母語(=人間性)も衰えてゆくのかもしれない。ブッカー少佐が自分の感覚を表現する語彙が衰えているのに苛立つさまは、病気や怪我で筋力が落ちて、思うように動かなくなった自分の身体に苛立っているみたい。
 対して、零の方は、頑として母語を使いません。

 雪風のパイロット、深井中尉が、彼の祖国の人間の甲板員に、FAF語でくそったれ(シット)などとどなっている。かれは早口で指示を出すのだが甲板員には通じないのだ。デジタル的、機械的FAF用語が、深井中尉を人間よりはその愛機に近い存在にしていた。
(中略)
……雪風のパイロットが人間とうまくコミュニケートできないのをこの耳で聞いた。彼は母国語を忘れてしまったかのようだった。それを使えばなんということもなかったろうに。それとも彼は、人間にもどってしまうのがこわかったのだろうか? でも、なぜ?

*「くそったれ」に「シット」とルビ

 ……あ〜あ、すっかり「人間やめたヤツ」扱いされちゃってますな(^^;;)。零ちゃん。
 実際問題として、「なぜ母国語を使わないのか?」というジャクスン女史の感想は、日本人から見れば、「英語のネイティブスピーカーの傲慢」という気もしなくない(^^;;)。彼女やブッカー少佐にとって「FAF語」は、「ちょっと特殊なギョーカイ言葉」程度かもしれないけど、零にとっては完全に「外国語」だもん。「FAF語→英語」と、「FAF語→日本語」では、脳みその切り替えに要する労力が全然違うと思う……。
 加えて、テクニカルタームの問題もある。零が、祖国にいた(日本語を使用していた)頃からパイロットだったならまだしも、当時はフツーの(?)会社員だったそうですから、「戦闘機乗りとして必要な言葉」は、すべてフェアリイに送られてきてからの教育で覚えたんじゃないかしら。すると、彼のその方面に関する語彙はすべて「FAF語」ということになるでしょうから、日本語が出てこないのは当然じゃないかと……(^^;;)。そもそも、この種のテクニカルタームって、万国共通とは言わないまでも、少なくとも日本では「英語」がデファクトスタンダードになっていると思うのですが……。管制塔との交信と、整備関係とのやりとりはまた別なのかな?

 ……といった現実的なツッコミはさておき(^^;;)、ここで描かれている「母語を忘れる」=「人間性を忘れる」という見立て自体はスゴイ、と思うのです。
  「母語を使わずに機械語を喋る男」が唯一使用する「母語」が、他ならぬ「機械」の名前*だという皮肉は、そのまま、「人間よりも機械に近い」と呼ばれる彼が、唯一「人間性」を向ける対象が「機械」であるという皮肉と呼応するんですもの。

注:零が「雪風」の名をどのように──日本語風か、FAF語(英語)風にか──発音しているのかの明確な記述は一切ありません。
ただ、初めて雪風を目にしたリン・ジャクスンのセリフの中では「YUKIKAZE」と表記されているのに対して、彼女の言葉を受けたブッカー少佐のセリフが「雪風」と漢字で表記されている(機体に漢字で「雪風」って書いたのはこの方だそうですから、当然ですね)ところから察しても、零の中でも雪風は「YUKIKAZE」ではなく、「雪風」という日本語の漢字の字面と共に認識されていると推測されます。

 「なぜ?」というジャクスンの問いに対するブッカー少佐の答えも、また示唆に富んでいます。

「雪風は彼が信じられる唯一のものなんですよ。傷をつけられてはたまらないだろう。彼は雪風がこうして欲しいというのを代弁しているんだ」

 少佐の言う、「雪風の代弁」をワタシ流に拡大解釈すると、零が日本語を使わないのは、「日本語を使いたくない」=「人間にもどりたくない」からではなく、「雪風と同一でいたい」から、雪風の使用する言語である「FAF語を使う」ということになります。

 もっとも、このころの零は、自分の行動に対してそういった客観的な視点で分析するということを一切しなかったから、自分が日本語を使わない理由なんて、問いつめられても答えられなかったでしょうが(笑)。

 「人間よりも機械に対してシンパシイを寄せる孤独なキャラクター」なんて、現在はモチロン、当時でもそんなに珍しいものではないでしょう。しかし、その様を「言語」を小道具にしてこう描いてくるのは、この作家だけではなかろうか……もう、なんというか、「これがッ、神林だッッ!!」ってカンジ(^^;;)。今更ながらに、シビレます。


あ、やだ(^^;;)(11/22)

 (昨夜の続き)よくよく考えれば、「憂うつ」の意味で使う「ブルー」って、最近では既に日常会話の中に入ってきてますよね(^^;;)。自分じゃ使わないもので、つい失念しておりました。
 でも、イマドキな「ブルー」という単語のニュアンスは、元の零のセリフのような、ボソッと言いきるぶっきらぼうな口調にはそぐわない気がするんですよね。「憂うつになってきた」をそのまま「ブルーになってきた」って置き換えると、すごく不自然な感じがするんですよ。
 わたしが実際に見聞きした限りでは、「ブルー」って、主に(若い)女性が使う語彙という印象があって、男性だと、チーマー系の男の子(ドラマの配役のイメージで言えば、数年前の木村拓哉とか、長瀬智也とか)が、「すっげぇ」とか、「もう、めっちゃ」といった副詞を上につけて使っているシチュエーションが浮かぶ(^^;;)。
 故に、ワタシ的言語感覚で、昨日引用した会話の中で「憂うつ」の意味での「ブルー」を使うとしたら……

「煙幕弾でも持っていくかい。なに色がいい」
「え〜!? おっさん、マジかよ!? あ〜、な〜んか、めちゃブルー入ってきたわ」
「ブルーね」

 ……ってなカンジになってしまいそう(^^;;)。
 まぁ、これはあくまでもワタシの現時点での感覚の話で、この先、何かで「ブルー」を、そっけない口調や重々しい言い回しで使っていて、それがしっくりはまっているケースを見たら、あっさり前言撤回しちゃうかも(^^;;)。


翻訳調?(11/21)

 零やブッカー少佐はじめとする『雪風』のメインキャラがどんな言語で話しているかについては、作中に記述があります。

彼の言葉はFAF語というべき言語だ。英語を基にしてはいるが、形容詞は少なく、省けるものは省いて、簡潔で高速だった。合理的だが非人間的だ。まるで機械と話しているようだ。

■旧シリーズ第七話「戦闘妖精」より

 この回は、シリーズ中唯一、ジャーナリストのリン・ジャクスンの一人称で記述されています。ある意味では作品全体の「語り手」とも言える彼女が本編に初登場(ったって、この後彼女が直接登場するのは、新シリーズの「戦士の休暇」だけなんですが)するこの話は、「機械」と並んで神林作品群の主要なテーマである「言葉」についての考察や見解が語られて、見どころ(=語りどころ)満載なのですが、それはまた次の機会に。
 引用部分の直後には、ブッカー少佐の母国語が英語である(言われなくても少佐は英語圏の出身って雰囲気がしますけどね。)ことも明らかにされますので、零はともかく、少佐の方は、その気になれば、FAF語よりももう少し(非ネイティブからみたら)ネイティブらしい無駄や不合理なところもある英語も話せると思われます。まぁ、少佐も意識しないと母国語を忘れちゃうみたいだけど(^^;)、ジョークや軽口なんかは、母国語由来の言い回しなんじゃないかしらね。

 神林作品の特徴として、「会話」のかっこよさというのが良く言われます。「かっこよい」と感じる理由の一つが、本来存在しないはずの「原語」を意識させるような言葉使い、ではないかと思ったり…。いわゆる「翻訳調」というのではないんだけれど、通 常の日本語ではあまり使わない言い回し。
 たとえば、相づちに多用される「フムン」なんて、わたし、見るたびに"Hmn..." という字面が、脳裏にペーパーバックの書体で浮かんじゃいます(^^;;)。
 会話の応酬というのでは、『雪風』ではこんなのがありました。

「煙幕弾でも持っていくかい。なに色がいい」
「憂うつになってきた」
「ブルーね」

■旧シリーズ第二話「騎士の価値を問うな」より

 例によって(シャレではない)零と少佐の会話です。忙しい最中に、新兵器のデモンストレーションのための模擬空戦をやれと、上からの命令。実際に飛ばなきゃならない下っ端は、もちろん不満ぶーぶー。命令を下す上司の側も、フライトスケジュールの組み直しetc、で自分の仕事が増えるからやらせたくないけど、中間管理職としては(^^;;)、やはり上には逆らえない。とっとと開き直って、仏頂面の部下を追い立てにかかる……という、実にありがちなシチュエーションですな。
 最初に読んだときは、サラっと読み飛ばしちゃったんですけど、よくよく考えると、2番目の零のセリフ、「原語」では多分、"I'm gettin' blue...." とでも言ってるのかな……とか。
 この辺りはまぁ、「翻訳文体」と言っちゃえばそれまでなんですが、おおっと驚いたのが、次の例。

「正気なの?」
「月的か?」

■『ルナティカン』(光文社文庫 現在絶版(-_-;;))

 舞台は、人類が月や火星にコロニーを作っているような未来。会話の主は、地球人の若き女性ジャーナリストと、月人の探偵。まぁ、一言で言えばボギーで工藤ちゃんな主人公と美人で頭の回転が速くて勝ち気なヒロインの、「いわゆるハードボイルド」な会話ってやつですが(^^;;)……これって、一見「lunatic」にひっかけた翻訳調(=英語ならでは)の言い回しのようであって、実は「日本語で書くからかっこよい」セリフのような気がする……
#そのまま英語に置き換えたら、英語圏の人間には「ベタベタの寒い駄洒落」に聞こえたりして(笑)。


あ、しまった(^^;;)(11/20)

 零の名前ネタ、ハンドル切り損ねちゃったな(^^;;)。「余計者」〜「置き去りにされた子供」のイメージは、ちょっと話すと長くなるので、勝手ながら、今は棚上げします。

 で、もう少し辞書ルートで引っ張る(^^;;)。
 いきなりですが、懺悔します! ブッカー少佐の「しずく、雨だれ……」のセリフに、実は最初、「このガイジン、「零」と「雫(しずく)」を混同してるんじゃねーの?」って疑ってました〜。ああ、無教養……(恥)。ちなみに、「漢語林」によると、「雫」は、実は「国字」要するに「和製漢字」だそうです。そういや、「雫」の音読みって、思いつかないよね。念のために、現代中国語辞典を当たってみたら、「零」はありますが「雫」は載っておりませんでした。
 あと疑ったのは、「これ、英語(FAF語)の翻訳じゃないかな…」とか。「drop」で英和辞典をひいたら、ちょうど置き換えられそうな表現があったのですよ。

 a drop of〜:「ほんの僅かの〜」

 というわけで、件のセリフは、"a drop, raindrop, a drop of...." …と、(英和辞典レベルの)英語としては、なかなかリズミカルな言葉が並ぶんですよ。しかも、コーヒーを煎れてる(drip)最中のセリフだし〜(^^;;)。
 コーヒーメーカーからカップにポタポタ落ちる雫を大写しにした画面に、セリフがかぶさる……なんてカットをイメージしちゃいました。


ゼロと呼ばれた男(11/18)

 ……というのは、鳴海章の初期作、『ネオ・ゼロ』シリーズ4部作の第一作のタイトルで、「男」とは、モチロン主人公のこと。もっとも、こちらの「ゼロ」の本名は「那須野治朗」さんで、かのゼロ戦を生んだ日本人の戦闘機乗りであるということと、「ジロウ」という発音が英語の「ZERO」に似ているということから、出向先(?)のイスラエルかどっかでついた渾名だという設定だったような……あと、作中では「ジーク」と呼ばれることの方が多かったような……既に記憶曖昧(^^;;) 。なんせ、読んだのはもう五年以上昔の上に、4部作のうちの2作目の途中で挫折したもので〜(^^;;;)。
 旧作の『雪風』同様、そっち系のテクニカルタームがぎっしりの小説でしたが、文章自体の上手さや話のおもしろさはあんまり……だったような気がします(途中で挫折したヤツの言うことだから、信用しないでね(^^;;))。もっとも、ウンチク部分は『雪風』よりも丁寧でしたよ(それがかえって話のリズムを殺いじゃってもいたんだろうな)。「ドッグファイト」や「デッドシックス」の語源だとか、『雪風』では説明なしに出てくる「インメルマン・ターン」とはなんぞや?なんてことが、逐一説明されていたという記憶が……内容はもう忘れちゃったけど(爆)。

 前置きが長くなりましたが(^^;;)、「ゼロという名の戦闘機乗り」といえば、今のワタシにとっては、言うまでもなく、深井の零ちゃんです。彼の「零」の由来には、やはり「日本人の戦闘機乗り」だからというのがあったのかしらね? 世に出たのも、那須野氏よりも十年以上早いし(松本零士の諸作品よりは後だと思うけど)。まぁ、モチロン、神林のことですからネーミングの理由として「それだけ」なんてことはないと思いますが……
  神林作品には、キャラの名に限らず、漢字を使ったネーミングが頻繁に登場しまして、大抵は字面と音とでいくつもの意味がかけられているようです。
 都市を制御するコンピュータに負荷がかかりすぎて起きる事件を主人公達が解決する『過負荷(かふか)都市』(徳間書店版、ハヤカワ文庫版、共に絶版or在庫切れ)なんて、その種のダブル、トリプル・ミーニングの見本市みたいな小説です。まずタイトルからして、「フランツ・カフカ」に引っかけたネーミングで、主人公がある朝起きたら「虫」に似たパワードスーツ姿に変身していたりね(^^;;)。他にも、「作っては壊す人」=「創壊士」と、「想いの海」=「想海」の引っかけとか、「反抗」とか……こうして並べると駄洒落にしか見えませんが(^^;;)、読んでると「上手いな〜」って思っちゃうんですよ。
#というか、そういう言葉遊びが気に入るかどうかが、神林を好きになれるかどうかの分かれ目の一つかも。

 で、改めて「零」の字を、手持ちの『漢語林』(大修館書店 S62年4月初版…げげっ*)で調べる。

1. 静かに降る雨 こぬか雨 零雨
2. おちる 雨が降る 露が下りる 草が枯れおちる おちぶれる
3. あまり はした
4. レイ ゼロ(0)

 恥ずかしながら、1.の用法は初めて知りました(^^;;)。「零雨」なんて単語、今回辞書を引くまで知らなかったし……。2.の「おちぶれる」だと、「零落」という言葉がありますよね。3.は…「零余(餘):少しばかりのあまり、はした」なんて言葉があるそうですが、わたしは知らなかった。ちなみに「零細企業」の「零細」は、この用法に則っているようですが、ジツは「和製漢語」らしいです。知らなかった(^^;;)。
 よーするに、

「しずく、雨だれ、ほんの少し」少佐は言った、「ゼロ──おまえの名だ。零」

■旧シリーズ第一話「妖精の舞う空」より

 ということなんですね。すごいぞ、少佐! 「零以上に日本通」で、書道のたしなみがある(らしい)という設定ですが、「漢字王」とお呼びしたい。で、この直後の、零の言葉がまた印象的なのです。

「おれは余計者として生まれたんだ」コーヒーメーカーの前に立ったまま、零は振り返らなかった。「おれが生まれてすぐ両親は別れた。育ての親はプロだったよ。同じような子供が何人もいた。実に幸せな毎日だった」

 自分が「余計者」であるという感覚は、おそらく、彼にとって「事実」「実感」そのものだったのでしょうが、自分自身の「名」に「その通り」ってダメ押しされちゃうってのはどんな気分だろう……なんて、ね。
  何気ない会話のようでいて、よくよく考えると結構ヘビーでもあり、一方で「その程度の傷はここにいる人間なら誰しも持ってる」という、「底辺の方で平均化されている人間の集団」というFAFの様相が見えるようでもあり…と、ほんの数行ではありますが、読み返すほどに、色々なことを思わされる会話です。

注:「辞書」というシロモノは、大抵初版にはミスや取りこぼしがあって、以降の版で徐々に直してゆくものですから、誤植マニアでもないかぎり、「初版」を買うのは基本的に避けた方がよいのです(^^;;)。もっとも、(日本国内での学習者の数という意味で)マイナーな言語や特殊な用途の辞書だと、選択肢がそもそも限られているから、そんな贅沢言ってられませんけどね。


ハードカバーは持ち歩くには重い(11/17)

 というわけで、現在の「通勤の友」は『永久帰還装置』ではなく、駅の古本市で買った創元SF文庫『タウ・ゼロ』(ポール・アンダースン作・浅倉久志訳)です。bk1Amazonにも在庫あります〜。
 内容については、こちらのレビューをご覧あれ。「宇宙船が止まらなくなる話」って……よーするに、SF版『スピード』? …ひょい(ハードSFオタクfanからの石を避ける)。いや、こっちの方が20年以上早いんですけどね(^^;;)。
  前半は、船内の人間関係に描写が割かれ、問題の「宇宙船が止まらなくなる」のは、ちょうど文庫本の厚さの真ん中頃からなんですが……この辺りから、ページを繰るわたしの脳内では、『スピード』のテーマ音楽(それも、小室哲哉の作った『2』の方)が鳴り響いております(^^;;)。ヒロインのリンドグレン副長のイメージキャストは、もちろんサンドラ・ブロックだし(^^;;)。
 いつもの悪癖で、ラストの方も既に斜め読みしちゃっているのですが、どうやら「んなアホな(^^;;)」と言いたくなるような壮大な結末が待ってそうで、楽しみであります。
 SFの極意だか真髄として「センス・オブ・ワンダー」 という言葉がよく使われますよね。これって、日本語に翻訳するのは難しいそうで、(あえて言うなら)「なんとびっくり」といったところだろうか……なんて説を大昔に聞いた覚えがありますが、だったら「んなアホな(^^;;)」というのも「センス・オブ・ワンダー」の訳語としては、結構イイ線いってるんじゃないか、なんて思ったり……

 …っとお、神林ネタから大幅に脱線しましたね(^^;;) 。
 でも、まだ風邪が治りきっていないので、今日は情報のみでご容赦を。

 『グッドラック 戦闘妖精・雪風』文庫化
 ハヤカワ文庫より12月上旬(10日頃ですね)発売。 予価 860円+税

 いや〜、ジツは1週間ほど前に、某匿名掲示板他、複数のソースからの情報が耳に入ってはいたのですが(^^;;)、ハヤカワからの公式発表を待って、今日まで伏せておりました。 先ほどハヤカワのサイトをチェックしたところ、ようやく「12月の刊行予定」がアップされていたので、こちらでもお知らせできます。
 わたしとしては、ハードカバーの発売から丸3年になる来年春に、OVAと合わせ技で出してくるかと思ったのですが……一足早かったですね。
 まだ『雪風』シリーズを未読の方は、この機会にでも是非、旧作ともども、お手にとってくださいませ♪


同日更新(^^;;)(11/15)

 あ゛う゛〜、呼吸がくるじい〜〜〜〜。まだ、風邪びいでぢばいばぢた。
 昨日夕方に背負い込んだ鼻風邪が順調に悪化して、またしてもドナルドダッグ声になってます。微熱で少しフラフラするので、今日はカイシャも休んじゃった。オシゴトはあったんだけど、緊急じゃないし〜〜。

 というわけで、予告通り13日のジャック×零(おい)話の続き。<寝てろよ!
 プロモ映像のいかにも〜(^^;;)なキャラに、頭痛を覚えながらも、頭ごなしに否定もしきれなくて、「確かにそうなんだけど、それだけじゃない」「その絵柄じゃ、わかりやす過ぎて、かえって色気半減」なんて、ちょっと屈折した感想を抱いてしまうのは、やはり、ワタシが零のイメージモデルにしているのが(十年前の)織田裕二だからでありましょう。織田も、女よりもオヤジと絡んだ方が色っぽいからなぁ……(爆)。
 でも、織田の「オヤジと組んだ時の色気」はね〜、プロモの零の「被保護者役」というか「若奥様(う゛っ)」がすっかり板に付いちゃった完全な受キャラの色気とは、全然似て非なるものなのよ〜〜!!
 まず、前面に、「挑戦者」「反抗者」のオーラが発散されていなくてわ!! 年齢・経済力・社会的地位(もしかしたら、腕力でも)……等々、「群生動物のオス」として、あらゆる点で自分より勝っている「上位のオス」に対して、「なめんじゃねぇぞ、オヤジ〜」とか「オレに触るんじゃねぇ」みたいな、根拠薄弱な(笑)プライドだけで立ち向かおうとする、危なっかしい気迫と言いましょうか。で、その一方で、チラチラと見える、「隙」。「尊敬できて頼りがいのある父親を求める幼子」のような弱々しさ。甘えたい、守られたい、保護されたいという願望。当人自身も、自分の中のそういう部分を意識しているが故に、いっそう、目の前の「父親」的存在に対して虚勢を張ってしまうところが、また可愛らしくもあり、痛々しくもあり……って、要するに「ファザコン」なんだけどさ(^^;;)。
 「男はかくあらねば…」といった「男性性」の規範となるような優れ者の父親がいて(あるいは、実際にはいなくても、自分の中にそういう理想像があって)、一方で実際の自分の「男性性」には満足していなかったりするような男の子の「ファザコン」って、ハタで見物する分には、悩ましくも艶めかしいものがあると思いません? 「優位のオス」たる「父親」に対する憧れや思慕を抱き続けている限り、自分は常に「父親」よりも「劣位」であり続け、すなわち、自分が理想とする「父さんのような男」にはなれないという矛盾。そこで引き裂かれ、葛藤する様が、ジツに危うげでよろしい(*^^*)。わたしが、若い頃の織田に感じた「オヤジ(=明らかに彼より格上の男優)と絡んだ時の色気」っていうのは、或いは、圧倒的に力の差のある相手に対して、半ば以上屈しながらも、なんとか食いついていこうとする「覇気」だったのかもしれません。

 まぁ、零の場合は(キリコもだけど)、特定の相手に対して「父親」の幻影を見て、「あの人に勝ちたい」とか「負けたくない」ってな意識を持っているとはワタシも思わないので、ブッカー少佐に対して織田的な「覇気」を見せる必要はないのだけれど(^^;;)、でも、あ〜っさり「被保護者役」に馴染まれちゃうと違和感あるのよ〜。もうちょっとこう、「世界全体を拒絶している感じ」みたいなものを表面に漂わせつつ、その下から脆い素顔がかいま見えるという形であって欲しいわけだな(^^;;)。
 #短時間のプロモじゃ無理な注文だとは思うけど(^^;;)。
 ふてぶてしいくらいに無愛想で、近づく者をことごとくはねつける剥き出しのナイフのような男が、ジツは人一倍甘ったれで淋しがりや……というギャップがあってこそ萌える(今回は「燃える」じゃなくってこっちね)というものでしょう(笑)。
 あ、わたしは、零って、(キリコ同様)ジツはすごく甘ったれなヤツだと思ってます。もっと細かく言うと、「誰にも甘えさせてもらえなかったがために、甘え方を知らず、甘えたいという自分の気持ちすら自覚できなくなっている子ども」。
 う〜ん……そうですね、この「自覚できない」というあたりが、ワタクシ的には零やキリコの重要なポイントだと感じているのですが、まだ上手くまとまりません(^^ゞ。
 そもそも、わたしが昔の織田を零(&キリコ)のイメージモデルにしているのは、「オヤジと絡んだときの色っぽさ」故ではなくって〜(それもあるけどね)、一番の理由は、「何かをすごく求めていながら、でも、何を求めているのか自分自身にもわからない」という雰囲気……言い換えれば、「(まだ)自分のことがわからない」という危うさ、なのかな……


取り急ぎ一つ訂正(11/15)

 昨夜の日記で、『永久帰還装置』
 >>(渋谷)駅前の旭屋にもなかった
 と書きましたが、本日(14日)、改めて確認したところ、ちゃんと置いてありました。新刊コーナーで平積みじゃなくって、棚の方に立てかけてあったから気づかなかったのよ〜〜(^^;;)。というわけで、もし、ここをご覧になっている方(7〜8名?)の中で、『永久〜』を渋谷で買おうとなさっている方がいらっしゃいましたら、ブックファーストまで行かなくても、旭屋で入手できます〜。

 で、13日の続きは……今夜中にかけるかどうかわからないので、とりあえずこれだけ先にアップします(^^;;)。


ハタチになりました(11/14)

 ……あ、別にサバ読んでるわけじゃないですよ〜。十六進法で数えただけ(爆)。
 ともあれ、自分へのBIRTHDAYプレゼントは、今年はモチロン、神林の新作『永久帰還装置』
 昨日、久々にカイシャ近くの夜11時まで開いてる本屋を覗いたら置いてなかったので(T_T)、今日は残業も8時前に切り上げて、渋谷のブックファーストへ……おお、あるある。駅前の旭屋にもなかったのに、さすがに国産SF関連では超濃い口の品揃えな店だけあって、SF棚前に平積み! しかも、ふと書棚の上を見上げると、先月ワタシがここで買った波書房版『魂の駆動体』が、また置かれている……(^^;;)。もしかして、相当在庫抱えてる?(^^;;;;) >渋谷ブックファースト
  やっぱり、書店の店頭で探索本や待望の新刊を手にして帰途につく気分ってのは、格別ですね〜〜。どんなにWEB通販が品揃えが良くて便利でも、この楽しみだけは味わえないからなぁ……
 #これって、近場に大規模書店がある都会モンの傲慢だとは思うのですが……(^^;;)
 駅を降り、行きつけのパスタ屋に久々に寄ってワインを舐めつつ、1章を読み、後半を盗み読み(<邪道)……至福(*^^*)。初っぱなから立て続けに登場する、「冷凍睡眠からの覚醒」「逃亡犯を追う刑事」「言葉と現実を操る機械」……と、神林歴の浅いワタシですら「また?」ってな道具の連発ですが(^^;;)、でもでも、この作家に限っては、その「また」がイイんですってば〜〜!!(ジタバタ)<踊っている

 しかし、今回のヒロインと主人公(?)の会話を読むと、『グッドラック』でのエディスと零の関係はやっぱり「男女関係」と呼べるものだったのだろうか……(^^;;)。初回読了時は、わたしの頭の中では、零は完全に「雪風の恋人」で処理済みだったもので、あのふたりに対してそういう観点からみるという発想がまるっきりなかったのよね〜。<このワタクシともあろうものが!!
 いや、でも神林の「男女関係」の描き方…というか、考え方って、ちょっと独特だと思う(特に男性作家としては)。思えば、ワタシが神林にはまる決定打になった『太陽の汗』も、巷の評判によれば、作品全体としては「失敗作」「駄作」に近いのだけど(^^;;)、ほんのちょっと描かれただけの主人公と彼の奥さんとの関係の描き方に「あれ?」って感じるところがあったからだし……。先日読了した『Uの世界』もそうだったな。この辺りは、ちょっと研究しがいのありそうなテーマです。

 ともあれ、今はもう、幸せで幸せで、脳みそバラ色♪
  ……というわけで、スミマセン、昨日のハナシの続きはまた明日〜(^o^)/~~<おい!


300HIT越えてますね〜(^^;;)(11/13)

 とりあえず、今度のキリ番は自爆じゃなかったので嬉しいです(笑)。
 ついでにいうと、自分の誕生日を、残業帰りの電車の中で迎えなかったことも嬉しい(*^^*)。バースデイイブの昨日は、日付が変わる前に帰れたし〜、久々に外食してケーキ食べたし〜♪
  オシゴト、よ〜〜〜〜〜やく、一段落つきそうです。でも、どうやら、すぐに後に「次」が控えている気配(T_T)。このご時世にありがたいハナシではありますが、少し休みたいよ〜〜! 冬コミも、折角2倍以上の競争率をかいくぐってスペース取れたというのに、新刊のメドは全くナシ(T_T)(T_T)。今度のオシゴトは、もう少し余裕がありそうだから、なんとかしてコピー誌なり、せめてペーパーなり作りたいものですが、さて、どうなるやら……

 てなわけで、まだイマイチ心理的に余裕がないので、『Uの世界』の感想は後回しにして(……って言ってるとなぁなぁになりそうでコワイけど)、本日も、アニメ関連(?)お気楽妄想ネタで参ります。

 下でご紹介した「GONZO」のサイトでは載ってませんが、アニメでは、零だけでなくって、ブッカー少佐も、かな〜〜りハンサムさんになっててビックリです。単にハンサムなだけじゃなくって、妙に「優しそう」プラス「お金持ちそう」に見えちゃうのが、なんともはや……(^^;;)。
 わたしのイメージでは、ブッカー少佐って、男前は男前なんだけど、もっと都会派で、もうちょっと「凄みのある」というか、強面 で、多少胡散臭さの漂うようなルックスなんですよね(^^;)。元・下町の不良少年が、街を牛耳るボスに度胸と頭の良さを買われて教育を受けて、若頭クラスにまで出世した「インテリヤクザ」ってなイメージだったのですよ(^^;;)。ズル賢いNo.3にはめられて、ボス殺しのぬ れぎぬを着せられ、流れ流れてフェアリイへ……とまでは言いませんが(笑)。でも、実際のところ、この方も一応「前科者」のハズなんですよね(^^;;)。周囲の奴らが奴らなだけに、「温厚な紳士」「特殊戦の良心(とは誰も言ってないか(^^;))」に見えちゃってますけど(爆)。
 アニメ版のブッカー少佐を、SFマガジンのグラビアでパッとみたときイメージしたのが「大草原の小さな家」のお父さん(をお金持ちにした雰囲気)でした。なんとなく、アメリカ中西部とかカナダあたりで農場とか森林の一つや二つ持ってそうなカンジ。見るからに繊細そうで美人さんな零とのツーショットは、「可憐で繊細な受と、肉体的・年齢的・経済的に圧倒的優位 に立つ保護者的存在の攻」という、絵的には「やおい(っつーか、ボーイズラブ)の典型」な組み合わせに、思わず頭痛が……(-_-;;;)。

 いや、確かに、あのふたりって、「一面では」そういう部分もアリだな〜とはワタシも思うんですよ(爆)。でも、アニメの零のルックスが(ワタシにとっては)、彼というキャラクターのフクザツな構成要素の(最も重要ではあるけれど)ほんの一面しか現していないように、このふたりの取り合わせも、「確かにそうなんだけど、それだけじゃないんだよ〜」というか、「その絵柄じゃ、わかりやす過ぎて、かえって色気半減」という感がありますねぇ……(この項、続く)


一言だけ(11/9)

 『Uの世界』(ハヤカワ文庫版)読了。感想はまた後日。
 今週はもうずっと平均睡眠時間4時間弱と、原稿修羅場並の生活で、今日はついにリゲイン飲みながら残業してました(^^;;)。原稿の時だってドーピングに走ったことはなかったのに〜〜〜(T_T)(T_T)。
 というわけで、今日の日記は本当に↑の一言だけで終わらせようとしたのですが、もう一言。

 朝日ソノラマの『永久帰還装置』、発売された模様です。bk1でも、昨夜チェックしたときはまだ「2−3日内お取り寄せ」だったものが、「24時間内発送」に変わっています。

 ……しくしくしく。でも、今週は本屋が開いてる時間に帰れそうにない(涙)。
  カイシャの近くの本屋さんは「夜11時まで」開いているんだけどね(号泣)。


美貌のたれながし(11/7)

 ……ってなぁ、先頃「大きなお友達」の間で一大ブームを巻き起こした、某特撮ヒーローの相棒役の某氏に冠せられた称号だそうですが、アニメ版の零を見ていると、そんな単語がちらちらと脳裏をよぎります。
  あうう〜〜、同じくそのスジの婦女子を狂わせる刑事は刑事でも、一条君ではなくって、湾岸署の彼の方が、わたしのイメージなんだけどなぁ……(-_-;;)。いえ、別にエディスが深津絵里ちゃんで、桂城少尉がユースケ・サンタマリアとまでは申しませんが(笑)。<『踊る特殊戦』(爆)

 3日の日記でご紹介した「GONZO」のページのべっぴんさん(う゛っ)は、おそらく、SF大会会場で流れた予告編での零のファーストショットからのカットかと思われます。(こちらのサイトからダウンロード可)
  最初はバイザーの反射で顔を見せず、淡々とかぶさるナレーション「……男達がいた」と同時に角度が変わり、画面大写しになるこの美貌のアップに「ウソこけ!」と思わずツッコミ入れたのはワタシだけではないはずだ(爆)。ワタシゃ一瞬、『妖獣都市』(菊地秀行原作・川尻善昭監督作品)の麻紀絵さん思い出しちまったよ……

  違うんだよ〜、零は確かにかな〜〜〜り「女々しい」し、その女々しさが(ワタシから見れば)「色っぽい」、もっとストレートにいうと「そそる」んだけど、それって、「外見の男っぽさ」があってこそ、なんだと思うのよね〜〜。
  だいたい、件のショットのアゴをクイッとあげる(のを斜め下から撮る)ポーズっていうのは、アゴとか喉とかのラインがガッシリしている男性がした方が色っぽく見えるんですよ〜。女性や少年みたいに、首筋が華奢な被写体は、逆に、ぐっとうつむいて堪えるのを項(うなじ)側から撮るのがGOOD!(*^_^*)。具体例だと、今やってる『009』EDのフランソワーズとか。

  ……じゃなくってぇ(^^;;)。今は「男のアゴ上げの色気」のハナシでしたね。
  何を隠そう(隠してないって)、わたしの見るところ、ジツはキリコちゃんこそが、その好サンプルだったりして……。(塩山さん、狙ってる?)
  ほらほら、塩山エンディングとか、『ビッグバトル』で地上戦艦にとりついたシーン。あの、「水筒から水を飲む」「フックを口でくわえて外す」仕草に悩殺された女性はかなりいるはずです!! しかも、キリコちゃんの場合「口に何かくわえている」というのが更にポイント高〜し!(握り拳) あ、「口」が何故「高ポイント」なのかわからない方は、フロイト先生にでも聞いてください(^^;;)。 わたしも詳しくは知らない(^^;;)。
 少なくとも、「顎」や「喉」に関して言えば、 見るからに強そうでガード固そうな男が、ちらっと無防備な部分をこちらの視界(カメラ)に晒すのがたまらない、とでも申しましょうか……。男性でも、「勝ち気な女の子が泣くとカワイイ」とか、「一分のスキのなさそうなキャリアウーマンがポロッと弱い部分を見せるとグッとくる」という趣味の方は多いのでは? 同じですよ、お・な・じ。<ホンマか〜? 
 もっとも、ワタシの場合は、男性に「そそられる」っていうのはイコール「いじめたい気分になる」ってことでして(^^;;)。それだけに、アニメの零みたいに、見るからにキレイで繊細なルックスだと、いじめるのが可哀想になっちゃって、逆に燃えない*1のよね〜(ぷんぷん)。

*1:近年定着した「萌える」という表現は、ワタクシのこの「いじめたい!」欲求を表現するには、そぐわないのですよ〜(^^;;)。やっぱり、こう、マウンド上の星飛雄馬のごとくボーボーと「燃えさかる」という方がイメージに近い…


また少し模様替え(11/3)

 下の日記、日付間違ってますね(^^;;)。UPしたのは、1日深夜、つまり既に「11/2」だったわけで……。誤字もあったので、こっそり修正。ついでに文章も加筆訂正し、更にファイルもまた40K越えていたから分割し……と、ささやかな模様替えをしていたら、またしてもこんな時間。今日(土曜)も出勤だというのに〜〜。

 え〜っと、ここ数日、妙にカウンタの回りがよいのでドキドキしています(^^;;)。つけた当初(確か9月の連休の頃だったような……)は、更新した後に2、3HITあれば良い方、100HIT達成したときも、2割は自分で踏んでたんじゃないの〜?ってなカンジだったのですが……
 まぁ、この手の日記系ページって、一度読み始めると「大して面白くねぇな〜」って思っていても、つい惰性でズルズル巡回コースに入れがちなものですから(って、ワタシだけか?)、あまり意識することもないのかもしれませんが……でも、「折角いらして下さった方を手ぶらでお返ししては申し訳ない!」って思っちゃうワタシはやはり根っからの貧乏性(^^;;)。

 というわけで、本日のネタはこちら。

http://www.gonzo.co.jp/works/yuki.html

 OVAを制作する「GONZO」のサイトに、いつの間にか(もしかして、1ヶ月以上前?(^^;))『雪風』のページがアップされていました。
  無駄に美人な零の色っぺー流し目アップもばっちり(爆)。……あうう〜、「まぁ、こういうのもアリかな」って、一度は割り切ったつもりだけど、でも、やっぱり、ちっが〜う! や〜っっぱり、何かが違うってば〜〜〜!!


またしても…(11/1)(11/2)

 相変わらず、オシゴト忙しいです(^^;;)。もうハンパじゃないっす。月曜にいきなり(午前)2時まで残業&タクシー帰宅から始まって、「定時は11時半」が続き、今日の上がりは午前0時〜、正真正銘の終電で帰宅〜。ここまで来たら、突き抜けちゃって笑うしかないってカンジ……(^^;;;;;;)。
 どうせ土曜もまた出勤でしょうが、せめて日曜にはまとまった文章書ける時間がとれるといいなぁ……(涙)。

 ……じゃなくってぇ(^^;;)。昨夜、寝しなにふと気まぐれを起こしてココを覗いたら、自分でカウンタ「200」を踏んでしまいました(苦笑)。「100」に続いてまたしてものキリ番自爆。コレはあんまりだろうということで、カウンタのレンタル元のサイトに行って、「199」に戻しました(失笑)。
 ワタシは、自分自身も「読者第一号」としてカウントに入れているので、更新直後に確認もかねて覗いたとき(自宅&職場から)なんかは差し引かないのですが、昨夜はホントに、無駄にカウントを一つ増やしちゃっただけだったから……
 とはいえ、このコーナーではキリ番申請いただいても、ナニもお返しできるようなものはないしなぁ……。TOPページでは、(最近めっきりご無沙汰してますが)1000番単位 やゾロ目のキリ番には 「フィアナさん官能写真」、5千、1万単位の方には拙作の同人誌「彼のAT彼女の彼」をプレゼントしているのですが、神林関係では何も出せるようなものがない(^^;;;)。「波書房版『魂の駆動体』のデジカメ写 真」なんてワタシしか嬉しくないですよね〜(爆)。ブックオフで100円で入手した(あまりキレイじゃない)旧「雪風」というのものなぁ……そもそもここをご覧になる方は、既にご自分でお持ちの可能性の方が高いし……アイディア請う!

 ちなみに、現在読んでいる神林作品は『Uの世界』ハヤカワ文庫版(現在もたぶん在庫アリ)。夢また夢の連鎖は、神林版『ビューティフルドリーマー』(By 押井守)?


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