作:マサシリョウさん
(間奏)
クライス | 「・・・これじゃあ僕も共犯者じゃないですか。」 |
マサシ | 「そのまま犯人をお縄にするとマリーが罰せられる。 恐らく最初は、猫に全ての罪を被せることにしたんでしょう。 しかしそれでは、アウラさんが罰せられる可能性がある。 そこであなたは考えた。犯人が罰せられない方法を。 二人の女性を救う為に、偽証と言う危険を犯す。 とても真似できるもんじゃありませんよ。」 |
クライス | 「・・・・・・」 |
マサシ | 「この推理にたどり着いた手がかりは、 |
1.意味の無い足跡トラップ(消されると知りながら何故採用したのか?) 2.意味の無い糸トラップ(引っかかっても・・・) 3.夢遊病者にあんな犯行が出来るか? 4.クライスの発言(ありえない妖精さんの本能) だが、この一見矛盾していることも、“クライスとピッコロの狂言だった”と結論づければ、つじつまが合う。 もちろん、○にさんも気づかないわけがない。 つまりこれは、○にさんがこの小説に仕組んだ最後の謎。 つまり私は○にさんの掌の上で踊らされていたのだよ。 もしくは、“名探偵クライス”と言う作品自体が意思をもち、マサシリョウという道具を使って作品に生じた歪みを修正しようとしたのか・・・ ・・・恐ろしい。なんて恐ろしい作家だ。」 | |
クライス | 「なに自分の世界に浸っているのですか。 だいたい、この“おしまーい”って何ですか。 やる気あるのですか? それに重要な事が抜けているじゃないですか。」 |
マサシ | 「ん?にゃにそれ?」 |
クライス | 「この小説では、僕とピッコロが相談する時間が書かれていない。 他に空白の時間は無いし、本編でも二人きりの時間がかかれていません。 この謎の説明が無ければ、この推理は成り立たないはずです。」 |
クライスの無罪を証明する切り札だ。これを破るには・・・
マサシ | 「そんなもん、いつあったかは知らんよ。」 |
クライス | 「・・・ばかにしているのですか?」 |
マサシ | 「話を最後まで聞いてください。 私は犯人の見当が・・・じゃない、いつあったかは知らんと言ったのです。 相談する時間はあった。証拠は本編にありますよ。」 |
クライス | 「面白い。聞かせてもらいましょう。」 |
マサシ | 「ええと、クライス氏の発言、 “これも、今朝ピッコロ君に聞いた話なのですが、妖精さんというのは、本能的に、自分が探そうとしているアイテムがどこにあるかがわかるらしいのです。そして、最短距離でそこへいく・・・と。つまり、マルローネさんの工房からいちばん近い、アイテムのある場所がアカデミーだったというわけです”」 |
クライス | 「ああ、この妖精さんの本能がおかしいと言うものですね。でも、これの何処が相談する時間があった事の証明になるのですか?」 |
マサシ | 「これ、誰に向かって言った言葉ですか?」 |
クライス | 「話の流れが見えないのですか?ルーウェン君ですよ。」 |
マサシ | 「なんで?ルーウェンさんあの朝一緒に居たじゃないか。わざわざ聞く必要ないじゃん。つまり、あれは別の時間帯に聞いた情報。その時に相談したのです。」 |
クライス | 「強引すぎませんか?ルーウェン君は聞いていなかった。もしくは聞いてはいたがその結論に達成しなかっただけですよ。」 |
マサシ | 「それはおかしい。だって“あなたも聞いていたと思いますが”と言う意味のイヤミをいっていないじゃないですか。 クライスさんの性格で絶対言うと思います。」 |
クライス | 「それは他にも説明しなければいけない人がいたからですよ。」 |
マサシ | 「誰?読者?」 |
クライス | 「・・・・・・マルローネさんですよ。」 |
マサシ | 「いや、マリーもあの朝一緒にいたでしょう?」 |
クライス | 「マルローネさんはその時、ミスティカティーを入れていたのですよ。」 |
マサシ | 「茶を三杯入れるのに1時間以上も時間がかかりますか?」 |
クライス | 「かかりますよ。攻略本を見てください。」 |
マサシ | 「・・・・その言葉が聞きたかった。」 |
クライス | 「え?」 |
マサシ | 「マリーでそんなに時間がかかるのなら、茶妖精さんは一体どのくらいの時間がかかりますかねぇ。」 |
最終章へ続く。