《喜びは 天変地異の 小ささに》

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 例年より梅雨入りが遅くなって,水瓶である貯水ダムの地肌が露わになっている映像が流されています。田植えの時期でもあるので,心配しているという状況で,まだ給水制限といった実際的な対応がなされる事態には至っていません。水は天からの恵みですが,その不定期さが生き物の世界には苦の種になります。人は雨が気まぐれであることに対して,貯水のための施設を作り上げて凌いでいます。その規模において,天の気まぐれが大きくなると,想定外ということになります。
 生きるために不可欠である水を,天の恵みというタダ乗りをして頂戴している以上,天の意向にお任せするしかありません。ところで,人の営みが地球という自然に対する災いとなって,温暖化といった形で気候変動を起こしているということです。天の恵みを不定期にしている要因に,人の生活が関わっているとなると,愚かさを思い知らされます。
 人の事情とは関わりなく,自然現象は時と場所の条件に応じて変わりなく動いています。変わっているのは,例えば場所です。天の恵みである雨は,ここではなく別の地域へ,あるいは陸地でなく海上へと,動いただけです。天の恵みの場所の配り方が変わったということです。それでも,特定の場所で生きている人にとっては,問題になります。
 この地球上では,雨の恵みがある場所もあれば,全く雨が降らない場所もあり,不均衡です。その不均衡がそのままで少しシフトするだけで,人の暮らしは大きく影響されます。地球規模での少しのシフトといっても,人の生活空間である地図上では国の規模ほどになります。例えば,天気図で見える梅雨前線の動きの振れは,日本列島程度の動きになっています。天の恵みとは,それほど大きな揺れをしているということです。小さな人から見れば・・・。
 一方で,季節は毎年同じように巡ってくるという経験を持っています。梅雨という時期が毎年訪れるという時の動きの定常性があります。梅雨入りが早いとか遅いという振れはあっても,毎年この頃には梅雨になるという暦通りの移り変わりがあるはずです。年毎の繰り返される季節といった現象は,太陽との位置関係になります。この現象については,太陽の活動の振れを除いては,変動はないようです。太陽の恵みを受け取っている地球自身の変化によって,気候変動が現れます。その振れが小さいことを願うばかりです。

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(2019年06月23号:No.1004)