《喜びは 虚実の世界 張り合わし》

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 いくつかの会議録を書いたり読んだりすることで,虚実の世界を出入りします。実際の会議の流れを事細かに再現する議事録ではなく,要点を整理する程度の会議録で間に合っています。書類という虚空間は実空間とは違ってスカスカです。足りていない部分は,経験という自前の知識をはめ込んで読んでいきます。会議録を書いた者は,抜かしている部分を分かっているので,読み返してもかなり実空間の流れを再現できます。ただ,他人の書いた会議録を読むときは,実空間の流れがギクシャクしたりつながらなかったりします。
 ところで,会議録をファイルして綴じ込んで終わりにしていることがあります。会議で議案は全て決着してしまった,それで済むほどの会議内容であるということです。実空間の会議を虚空間の会議録に移し替える際に,決まったことだけを記録していると,全ては決着済みとなってしまいます。実会議の協議の中では,予定外の意見や質問,提案が出ることがあります。あるいは,予定の議案が炎上してしまうこともあります。何となく,誰かに任せてその場を打ち切るという進行になったりします。それで放置されます。
 会議の中にある実際の動きと,会議録の中の動きは違います。気をつけなければならないことは,実世界はあらゆることがつながって,動いているということです。前の会議で芽を出したことが日が経つにつれて膨らんできたりします。会議録で省略したことが,実世界では生き残って蔓延っていきます。実会議の中で姿を現した小さな動きを会議録に記録し,次の機会にきっちりとけりをつけておくことが大事です。組織的な活動の中では,あれはどうなった? ということがあると,支障が出ることがあります。
 冒頭に,会議録を書いたり読んだりと書きました。会議に参加して,自分の会議録を残す一方で,書記あるいは事務局が作成する会議録を読んで,比べます。人が違えば,書き留めることに差が出てきます。その部分に着目して,始末をつけることがないか,聞き落としがなかったか,虚空間の穴の点検をしています。会議で事を進めている組織活動では,会議を実活動になるべく近づけていくことが必要です。それを怠ると,会議が時間の無駄に堕してしまいます。
 会議録もつながって動いていかなければなりません。前の会議を受けて,協議をつなげていくように会議を運営する責務が,役職を果たすということになります。会議は物事を決めていく機能だけではなく,参加者の認識を確認し情報を共有する機能を持っています。あれはこうなるのか,その納得が活動の内容を濃いものにしてくれたら喜びになります。

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(2019年08月25日:No.1013)