《喜びは 少しの余裕 持ち合わせ》

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 小学生の女児の算数の問題での解答が,評判になっているようです。最寄りの駅に朝8時50分に着きたい。家から駅まで30分掛かります。何時に家を出たらいいでしょうか? 女児の解答は8時15分でした。当然×です。ただその理由として「8時20分だとぎりぎりであせるから」と書いてありました。果たして×だと切り捨てたままでよいのか,ある意味正解ではないかという大人の判定があります。
 連れ合いが出かける用事があって,車で送ることがありました。髪の整えに手間取って少し時間が押していましたが,それでも普段なら十分に間に合う時間に家を出ました。ところが,いつもなら空いている時間帯にもかかわらず,大通りに出る交差点で長い車列に並ぶことになりました。片側1車線の狭い道で前方に右折する車がいると,対向する直進車が多いので流れが停滞します。ぎりぎりで動いているときに限って,と恨めしく思ってしまいます。
 ぎりぎりの時間で行動していると焦るという女児の見識が実感になりました。普段であればちょっと暇が掛かるのは仕方がないかなと鷹揚に構えていられるのですが,時間の余裕がないと気持ちの余裕もなくなってしまいます。世間は自分の思惑のようには動いてくれないのです。このごく当たり前の自分と世間の関係を弁えていないと,イライラしてきて,世間に向かって吠えようとするでしょう。そういう事例が報道されています。自分を自分様と思い込まないように気をつけることが大事です。
 この自分様志向はかなり強烈です。立身出世という志向も,自分の思い通りにしたいという欲です。役職に就けばそれなりの権限が手に入り,自分様が手に入ります。お金持ちになりたい志向も,金の力を借りて,自分の思いを存分に実現できる自分様になりたい一心です。ただ,自分様には気がかりなところがあります。それは孤独という状況を招き寄せることです。お偉いさんは寂しさに包まれる定めなのです。自分の思い通りにさせてくれる取り巻きしかいないのですから。
 確かに世間は自分の思い通りにさせてくれない意地悪をしてきます。しかし,それはなるべくお互いの思いを叶えていこうという仕組みが動いているからです。あなただけの世間ではないけど,あなたたちの世間であろうというのが世間の願いです。10割は無理だけど6割は思いをかなえましょう,お互い様だから。その余裕があるから,世間の中で支え合って生きていくことができます。自分の思い通りにならない部分は誰かの思いに沿っている部分と譲っておけばいいのです。身勝手な焦りは無しにすれば穏やかでいられます。
 

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(2019年11月10日:No.1024)