《有難い 地産地消に 気付かされ》

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 ある番組で在来種の野菜を護っている活動の意義をコメントしていました。今作られている野菜は,形状や味覚などが均一になるように改良された品種ということです。ところが,種を取って植えても育たないとか,さまざまな環境に対する耐性が無く育たないといった弱点があるそうです。病気や気候の変化があると、全滅するそうです。かつて,今のバナナは、もし病気が流行ったら、世界的に全滅すると聞いたことを思い出します。
 一方で,在来種は,形状は不揃いになるのですが,種を植えるとちゃんと実りがあり,環境の変動にも耐えるそうです。在来種という名前が示すように,幾多の試練をくぐり抜けてきたたくましさがあるのです。不揃いであるという多様性を残していることが強さになるという真理を思い出させてくれます。
 均一化ということは,社会の発展の基礎になっています。流通の発展は野菜の均一化によって可能になりました。スマホ決済が始まっていますが,現金による決済を面倒で不便なものにしていく社会の均質化は,反対の硬直化を招きます。停電や通信の不具合に対して全滅になります。多様性は社会コストが掛かりますが,生き延びていく上では意図的に残す知恵を持っておきたいものです。
 国際化している社会は,一部に不具合が起こると、その影響は全世界に波及します。今回の武漢省という中国の一部に起こったコロナウイルスによる変動は、中国という国を機能不全に陥れ、その余波が社会機能の停止や生産能力の停滞という連鎖を招いています。均一化した社会は,プラスの結びつきだけではなく、マイナスの結びつきでもあります。国際化した社会ではコロナウイルの流通も国際化になります。日常的に身近に中国製のものが溢れているということは,コロナウイルスも身近にやってくるということなのです。
 均一化した生活は,多くの人とつながり、広い地域とつながっています。そのつながりが良いものであるように動いている間は結構ですが,不具合や邪さが紛れ込むことを避けることはできません。そのリスクを覚悟して,狭い範囲での均一さを残しておかなければなりません。野菜でいえば、流通に頼りっぱなしではなく、地産地消というごく手近な生活圏を維持しておきたいものです。多少は割高になることを受け入れる気持ちの強かさが欲しいと思っています。

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(2020年02月23日:No.1039)