家庭の窓
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市議会は定例本会議で,住民グループが提出していた自治会未加入世帯が地域分別収集会場に資源ゴミを持ち込めるよう市に求めた請願を賛成少数で不採択とした。市は,ペットボトルや空き缶などの資源ごみの回収を自治会に依頼。自治会の中に自治会未加入者の持ち込みを認めていないところもあるために,市に自治会を説得するように求めていたものです。
ある地域では,子ども会の経費を自治会費から賄っていて,子ども会はさまざまな行事を実施しています。参加する子どもの中に,自治会費を納めていない家庭の子どもがいて,困っているそうです。その子に「あなたの家は自治会費を払っていないので,行事に参加できない」とは言えません。一方で,きちんと自治会費を納めている人は不公平と感じるでしょう。
いずれも自治会に未加入な人が,自治会の活動に参加することの是非に関わります。参加は任意であるという自治会ですが,それなら自治会の活動にも任意の参加とするのが筋でしょう。困っているのは,日常生活に選択が馴染まないことです。ゴミ出しをするかしないか,選択はできません。自治会が支援している子ども会活動に,自治会未加入者が参加するという選択をしては拙いでしょう。でも,実際上そこに自治会が絡んでいます。
自治会によっては,資源ゴミ出しの活動にいろんな形で自治会参加者の作業が行われています。ただ単に自治会費という金銭だけのつながりではありません。皆で資源ごみの流れを維持しているという共同活動があります。その認識からは,自治会未加入者は皆ではないということに,皆ではない人のごみを扱わされるのはごめんということになります。
自治会が関わるのは地域生活の部分です。暮らしのあれこれ,子育て,防犯などに及びます。ちょっとした部分をお互い様に支え合っています。自治会はサービス提供をする組織ではなく,お互いに頼り合う共助組織です。サービスだけを受け取ることは想定外です。
私的な世界は公的な世界につながっていきますが,直結するだけではありません。子どもは親と一緒に家族として公的な教育世界につながります。家族は支え合っている組織です。さらに近くの家族同士が地域社会を形成して行政的世界とつながります。それが自治会という組織です。自治会を通り越えて個人が公的世界に直結していない部分もあります。何とかつながって不具合が現れていないのは,自治会が好意的に対応しているからで,当たり前のことではありません。
家族として支え合う,地域住民として助け合う,国民として頼り会う,その多層的な人間関係を完成することが生きるということと理解しておきたいものです。
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