《有難い 耳で味わう 良い情報》

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 ある健康食品の広告で語られていた一文が耳に入ってきました。「100年の研究の成果による〜」。ふっと思ったことは,謳われている成果について,100年間の研究とのつながりを誰がどのように見届けたのか,ということでした。一つのテーマをコツコツと100年間研究してきたという一筋さを言っているのかと思ってもみましたが,一般的には,研究とはたくさんの知識のつながりで生まれてくるものです。成果は研究のピラミッドの頂点に位置します。その頂点は別の成果の土台になっていくものです。100年間の膨大な研究ピラミッドを見届けるのは至難なことでしょう。もちろん,人工衛星の成功はニュートンの研究につながっているという言い方なら,常識として言えることです。
 情報社会では,たくさんの情報に囲まれています。今の自分にとって必要な,つまり知的身体にとって必須の栄養となる情報を摂取しなければなりません。どんな情報が栄養になるのかを見極めて取り入れるためには,どうすればいいのでしょう。
 タイミングがいいというのか,日刊紙に情報を見極めるポイントという記事を見つけました。食品紹介の不適さが問題になっていることを受けての記事でした。紹介しておきますというより,私的なメモとして残しておくことにします。健康情報を読み解く力に取り組んでいる聖路加国際大の先生が示しているポイントです。

 ・書いた人は誰か ・違う情報と比べたか ・元ネタ(情報)は何か
 ・何のために書かれたか ・いつの情報か

 この5つのポイントの最初の文字を並べると,「かちもない」という合い言葉になるということです。
 ・書いた人の専門性を確認が必要で,匿名だと無責任さが紛れ込む場合があるという注意です。
 ・人は自分に都合の良い情報を取り込む癖があるので偏ります。違う情報との比較が大事です。
 ・検証を経た元の情報があるか,根拠があるのか確かめないと,勝手な個人見解に感染します。
 ・情報が発信されるには目的があり,ただの売り文句でしかないかどうかを見極めることです。
 ・情報にも旬や新鮮さがあり,旧いものは消費期限切れや腐敗という状況もあって要注意です。

 価値ある情報とは,取り入れて豊かな知的身体になることに寄与できるものです。知的な偏食,不純な情報など,口にするものに配慮するのと同じに,耳にする情報という知識にも気配りが大切です。腐った情報や毒気のある情報もあるということです。何の意味もない情報の中に埋まっていると,紛れ込んでくる疑情報を取り込むようになります。

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(2020年04月05日:No.1045)