《有難い 見えない敵と 間をおけば》

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 緊急事態宣言という言葉が降ってきました。もう少し時間を置いて後からやってくるのではと思っていたのですが,もう来たという驚きがありました。新型コロナウィルスの陽性者の総計は特別に多いということではなかったので,高をくくっていました。不謹慎ですが,地方の支店長がいきなり本社の役員に選ばれたような成り行きのように感じてしまいました。幸不幸の出現に付随する驚きかたは,似ているようです。目の前に現れた新しい事態に,どう立ち向かえばいいのでしょう。
 3密という言葉が聞こえてきます。今年の流行語大賞になるのではと,またも不謹慎な感想に振り回されています。密室,密集,密着の3つです。自粛要請は人との接触量を8割減にしなさいということであり,その具体的な行動目標が3密を回避するということです。目安として対人間隔を1.8m以上確保するようにという外国での映像が参考的に流されています。1.8mといえば,昔流にいえば1間で,畳の長い方の距離が目安です。危険を感じる人に対して取る間合いです。
 人を見たら泥棒と思えという故事を思い出しています。コロナウィルスは全くその気のない人を危険な人に密かに変貌させます。ウィルスは警戒されないように秘密裏に動き回っています。大騒ぎになるとウィルスは封じ込められて都合が悪くなります。そこがウィルス退治の目の付け所です。ウィルスの勝手気ままな跳梁を阻止するために,人から人へという通路を断つことが,素人にできるウィルス攻略作戦です。脳天気に密集を産み出している人たちはウィルスの協力者になります。
 ウィルスは人を無症状のままに据え置いて共存しようとしています。症状が出ると,それは追い出されようとされていることになるので,不都合な状況です。密かに蔓延しようとしているのが,人間にとっては不気味で忌避すべきことです。人を見たらコロナウィルスと思えということに気が向くと,距離を置くようになります。ところが,感染の恐れが行き過ぎて人を強引に排除するとなれば,それは人権侵害になります。距離を置くのはウィルスとの間隔であり,人ではありません。
 毎年の風邪の流行とは違って,人にはとても危険なウィルスであることを悟って,ウィルスを封じ込める行動を積極的に進めなければなりません。完全に閉じこもることはできませんが,8割の自粛を目標に1間の距離を保つように努めていきます。

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(2020年04月12日:No.1046)