《有難い 命を守る 予報聞き》

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 今年も九州に大雨が降りました。警報や特別警報という言葉の意味を掴みきれなくて落ち着きません。
 新聞に昨年の九州北部の予報の成績が載っていました。気象庁による1週間先の天気予報で,「降水なし」の予報が外れて雨が降った日,見逃し率は24%,「降水あり」と予報したのに降らなかった日,空振り率は11%,ということです。つまり,雨が降る降らないの予報が的中したのは65%となります。これが明日の予報の的中率は年間8割を超すそうです。しかし,1週間先の的中率が例年6割ほどに低下する時期が,6〜8月のようです。
 梅雨時のいわゆる梅雨前線は,北の寒気団と南の暖気団が丁度列島付近でせめぎ合う状況で発生します。空気のせめぎ合いの狭間なので,微妙なバランスで変動しているはずです。その空気の変動に乗じて海上の水分が巻き込まれて雨になります。地上の山という障壁にぶつかることで空気の上昇が発生し,抱えていた水分の放出が起こるので雨になります。海の温度の揺らぎや山の凸凹といった乱れを複雑な計算によって分析し,降雨という現象の出現基準に照らして確率を導出し,最終的に振る降らないという二者択一に押し込めるには,かなりの不明部分を飲み込まなくてはなりません。例えば,降水確率60%と計算がでたとき,雨が降るという判定の的中率は6割になるのでしょうか。
 天気は空気の動きです。高気圧や低気圧という空気の濃淡が,水蒸気を道連れにして蠢いています。風神の気まぐれな振る舞いといえば呑気ですが,それに無理矢理突き合わせれて右往左往する人間はたまりません。酷い目に会わされます。だからこそ,人は知恵を絞って何とか天気の予報をし,警報を発して,巻き込まれないようにしようと努めています。未だ完全に天気を事前に読み切るまでには至りませんが,危険を避けるためにはかなり有効だと思います。
 警報を素直に受け止めて,対処することにしましょう。外れることを気にするのではなく,当たったときの有り難さを受け取る方が人間らしい振る舞いです。

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(2020年07月12日:No.1059)