《有難い 側にいる人 いてほしい》

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 「見る姿は見られています」というCFがありました。拡大解釈してみると,他者をどう思っているかは自分がどう思われているかと鏡像の関係になると考えることができます。そこで,自己意識の5段階評価を想定してみることにします。
 「1.いない方がいい人」。自分は嫌われている、避けられていると思うと生きられなくなります。「2.いてもいなくてもいい人」。どうでもいいと思われていたら寂しくなります。街ですれ違う人と同じ関係です。「3.いてもいい人」。余っている人のようで元気を失います。乗り物で隣り合わせて座っている程度の関係で,お互いに迷惑にならないように少しの気配りをする間柄です。
 「4.いなくてはならない人」。頼りにされていると思えるから,がんばることができます。仕事などを通して自分がいなくては皆が困ると自負することで生きがいを感じているかもしれません。しかし,その自負が「誰のお陰で」と押しつけがましくなると,いない方がいい人に格下げされてしまうことになります。自己認識は,普通にはその段階で終わりでしょうが,もう一つ考えておきます。
 「5.いて欲しい人」。格別に頼りにならなくても,そばにいてくれるだけでいい人。顔を見るとほっとする人。そう思われていると信じることができるなら,その存在はとても確かなものでしょう。
 しあわせな人間関係を結ぶ核心は心の鏡を磨くことであり,その点検法は「自分だったら今の自分と友人としてつきあいたいと思うか」と考えてみることです。今の自分とつきあいたいと素直に思うことができるようになりたいものです。自分の思いを相手に押しつける思いやりだけではなく,相手の思いを自分に重ねてみる思いとりが大事です。
 昔から人々が心の持ち方を教わってきた仏教にも,学ぶことがあります。例えば,仏像の目は半眼です。目を開けば外の世界に,目を閉じれば内の世界に意識が向くということから,半眼にすることで,内と外にバランス良く意識を保つことができるという教えなのです。思うほどに思われている,そう信じられる相手の人がいたら幸せです。

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(2020年10月04日:No.1071)