《有難い 間あるから うまくいく》

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 母親がへその緒を通じて栄養を胎児に与えるとき,血液型が違ったら凝固するのではと心配になったことはありませんか? 母親の血液が胎児の体内に直接流れ込むことはありません。胎盤が栄養の積み替えターミナルになっているので,母親と胎児の血液は共に間にある胎盤でUターンしています。
 万葉の昔、「おつ」という言葉があり,「変若」(横並び1字です)と表記され,復とも書かれていました。復元されて若返る,再生するという意味です。人については,子どもを産めるということを表そうとして「おとこ,おとめ」という言葉ができました。共通している「おと」は「おつ」を語源としています。再生する,つまり生殖能力のある人間がオトコでありオトメであったのです。やがて年を取るとともに人は生殖能力を失います。オトコではなくなると「おきな」,オトメではなくなると「おみな」と呼ばれるようになります。この「おみな」が訛って「おんな」になりました。男女の呼び方の間には再生への願いが込められていたのです。間にあるものを普段は忘れてしまっています。
 ガタピシという言葉は我他彼此と書きます。我と他者,彼岸(あの世)と此岸(この世)の間には何かと不都合なことが生じて円滑に運ばないという人の弱さへの洞察です。その問題を回避するために,先人は「徳」という願いを境界に設置してきました。お互いの欲がぶつかると,軋みが生じます。徳という胎盤を社会の様々な間に設けることで,日常の活動においては「思いやりの心」を交換して,共に生きていく和やかな生活を営んでいるのです。
 人の間と書いて,人間です。人間らしいという振る舞いは,間を大切にできるということです。間が違うと,間違いなのです。間が良いことを心掛け,間が悪いことにならないように気をつけたいものです。

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(2020年10月18日:No.1073)