家庭の窓
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家の隣に面している田んぼでは,10月初めにイネの収穫が終わったあと,しばらく日にちが経つと,刈り取られたイネの株から新たなイネの葉が芽吹いて,だんだん大きくなっています。背丈は半分程度しかありませんが,やがて稲穂ができて頭を垂れていきます。夜回りの際に近寄ってみると,ミニチュアの田んぼを見ているような感じになります。
イネは栽培品種としては1シーズンで刈り取ってしまうため,春に芽を出し秋に枯れる一年生植物のように思っていますが,調べてみると,もともとは熱帯地方で何年も枯れずに生きる多年生の植物であって, 刈り取られてもまた株から芽が出て再び成長を始める性質があるそうです。目の前の田んぼでは刈り取った後には水が張られることはないので,育ちが半分になるのでしょうか。
このように一度刈り取りが済んだ株から出てくるイネを「二番穂」と呼び,秋に温暖な天候に恵まれれば再び稲穂を実らせ,そのお米を食べることもできるそうで,味や食感は劣りますが昔はそれが庶民の大切な食料になっていたとのことで,納得しています。お米が生産過剰気味の今日では,わざわざこの二番穂を育てて米を収穫するようなことはしていないようです。 翌年春の田起こしをたやすく行うためでしょうか,先頃,折角育った二番穂が耕運機で漉かれてしまいました。
しかし,二番穂は冬を越す鳥などの野生動物にとっては貴重な食料になるということを,スズメどもが知っているようで,早速訪れています。窓の外にある葉の落ちた庭木に鈴なりになって止まっては,田んぼに舞い降りて,懸命に啄んでいます。
スズメを眺めている側では,コロナ禍の下で3密を避けていますが,スズメたちは2密になっています。ところで,3密の内容は何でしたっけ?。密集,密着,そして密閉でした。スズメの世界には密閉がありません。新聞には,鳥インフルエンザがあちこちの養鶏場で発生しているそうで,何万羽の鶏が処分というかわいそうな知らせが目に入ります。目の前のスズメたちには,インフルエンザは無縁なのでしょうか? 無事であってと見ています。
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