《有難い 自分が決める 仕合わせを》

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 和食では,天ぷらや刺身,煮物や焼き物といった料理が一度に目の前に並べられます。一方,洋食のフルコースでは,スープ,オードブル,魚料理,肉料理,デザートと単品毎に順序よく出されます。そういうものであると,特に気にも留めていないでしょう。この違いはどういう意味があるのか,考えてみることにします。
 食べ方の違いというか,料理する人の思いの違いが現れていると思われます。西洋料理は調理人が皿に盛りつけたときに食べる順序だけではなく,味も決まっています。和食はどの順番で食べるかは食べる方の自由で,さらに,ご飯と煮物を口に入れたり,ご飯とお椀を口に入れたり,その量を加減したりと,口の中でいろんな味を調合することができます。これを口中調味というそうです。また,テーブルに調味料も並んでいるので,味の調合も食べる人に任されています。
 自分のことは自分が決める,それは人が生きていく上で持っている仕合わせの重要な要素です。他者にこうしなさいと指図されると従属関係になります。対等とは自由であることであり,具体的には自己決定権を行使できるということです。
 仕事上の指示系統や個人的な尊敬がある場合には,指図を受け入れることを納得して決めるということになります。この部分の認識が曖昧になるとき,決定権に対する侵害が発生します。指図する方は聞き入れるべきであると思い,指図される方はそこまでは受け入れられないと決断します。
 相手の領域にどこまで踏み込めるか,それは信頼の度合いに依ります。委員が行う助言や啓発を受け入れるかどうかは相手が決めることであり,その一線を守るもどかしさが人間関係の円滑化を守る上では必須のことになります。信頼される関係を作ることが,大人であるためには求められているのです。

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(2021年02月07日:No.1089)