家庭の窓
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言葉は物事を区分けするようにできています。例えば,色を区分けするために,赤,橙,黄,緑,青,藍,紫の七色の語があります。人では男女や大人と子ども,生き物では動物と植物。さらには,大小,高低,寒暖,遠近,明暗などの,程度の違いを表すこともあります。このようなたくさんの言葉の中では,似ているようで違う意味のものも出てきます。
魚介類と魚貝類。介という字は「鎧・甲羅」という意味があり,殻を持っている貝,エビ,カニなどがすべて含まれ,魚介類で水産物の総称になります。魚貝では,魚と貝となり,エビやカニは含まれなくなります。
卵と玉子。スーパーマーケットの売り場では玉子です。玉子焼きといいます。卵は生々しいイメージがあり,子が生まれ出るものです。料理に関する言葉だけ,玉子と書くようです。
漬け物に,「しんこ」と「こうこ」という呼び方があります。しんこは新香と書き,新しい漬け物,鮮度が高く塩味でさっぱり,浅漬けなどです。こうこは古香と書き,長期間じっくり漬けたもの,素材の味より熟した酸味が強く出ているタクアンなどです。
刺身にはケンとツマが一緒に盛られます。ツマは,大葉や青芽,花穂ジソ,桜花,菊花,岩のりなど,添えるものです。ケンは大根,ショウガ,ニンジン,キュウリなどを剣のように細長く切ったもので,多少おかず的な要素が強いものです。
おみおつけとみそ汁。おみおつけは御実御汁食とも書き,汁の上に実があって,それを食べるとなります。汁の上にはみ出るほど実があるということです。みそ汁はみその汁という飲み物の一種です。
お碗とお椀。お碗は石偏で,陶磁器製です。ご飯を盛るおわんです。お椀は木偏で,木で作られたものです。もっぱら汁用に使われます。
ものの名前では,多少曖昧でも何となく通じてしまうこともありますが,勘違いすると困ってしまう言葉もあります。特に人間関係に関する言葉では,考え違いしていると,困ったことになります。いじめとふざけ,暴力としごき,体罰としつけ,パワハラと叱責など,行動形態としては隣り合っているのですが,その結果は正反対になるので,使い分けを誤らないようにしなければなりません。
日常では親切は良いことで有り難がられることですが,場合によっては有り難迷惑になります。何かのご縁でと互いにお世話をしていますが,場合によっては余計なお世話になることもあります。過ぎてはいけないようで,ほどほどにという慎みが大事なのでしょう。親しき仲にも礼儀あり,という指針の言葉を思い出します。
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