《有難い いい加減さに 救われて》

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 「おはようございます」は,何時ごろまで使えるのでしょうか? 普通には,10時頃まででしょう。「早い」という意味を意識すると,遅くには使いづらくなります。確かに,昔の農作業が中心であった生活の中では,日の出前が「おはよう」であったということですので,11時頃では「遅い」と言われるかもしれません。NHK放送文化研究所の調査では,午前10時では3分の2の人が「問題ない」と考える一方で,3分の1を超える人たちが抵抗を感じる結果が表れています。
 「こんにちは」から「こんばんは」に替わる時間は,17時半から18時頃,つまり日没の時間という認識が一般的です。判断に迷うのが,「おはようございます」から「こんにちは」に替わる時間です。11時頃のあいさつです。「こんにちは」には敬語表現がないので,「おはようございます」が延長して使用されているという事情もあるようです。
 ところで,朝昼夜も境目はきちんと決められていません。気象庁が決めている時間があるのみです。朝は6時頃から9時ごろ。昼は三つに分けて,昼前が9時頃から12時頃,昼頃が11時頃から13時頃,昼過ぎが12時頃から15時頃。夕方が途中に入り,15時頃から18時頃。夜は18時頃から翌日6時頃。朝晩は0時頃から9時頃と,18時頃から24時頃まで。日中は9時頃から18時頃までということです。
 言葉は物事を切り取って表現しているものですが,すぱっと厳密に切り取っているのではないこともあります。言葉を交わす者同士の状況に委ねられています。きちんとした対話をすることが必要な際には,お互いの言葉の切り口を確認する必要があります。
 今年は秋がなくて,夏から冬に直行しているようです。ところで季節の区別はどうなっているのでしょう。気象庁の用語では,春は3,4,5月,夏は6,7,8月,秋は9,10,11月,冬は12,1,2月になっているようです。天文学的には,春分,夏至,秋分,冬至が季節の始まりです。暦では立春,立夏,立秋,立冬が始まりです。さらに,年度を考えると,4月から春,7月から夏,10月から秋,1月から冬になっています。テレビ番組はこれに従っていますね。なんともややこしいことです。

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(2021年10月24日:No.1126)