家庭の窓
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福祉協議会が開いているカラオケ教室で挨拶をした骨子です。
教室という場では点数評価がつきまとうイメージが湧いてくるかもしれません。そのことの意味を理解しておく必要があります。70点、80点となりますが,基準は0点です。大事なことは,0点以上の評価であるということです。マイナス点はないのです。教室ではできない状態を始まりの0点として,何処までできるよになったかを評価します。70点までできるようになったという,前向きしか見ないところが教室です。自分の可能性を追求し続けることを支援する場なのです。75点にすることができるところを見つける,その努力目標を探すために練習をしています。前向きになれることが楽しくもあり,励みをもたらしてくれるのです。教室に参加することによって,日常生活に少しの高揚を持ち込んでもらえることを期待しているのです。
カラオケ教室の開催が福祉活動であることを説明することも必要でしょう。社協では福祉を目的に活動を行っています。福祉の目標をふくし=「ふつうの くらしに しあわせを」と表しています。具体的な教室活動は歌唱することです。その構成を考えてみます。歌を作詞した人がいます。作曲した人がいます。カラオケを演奏した人がいます。そして教室で歌唱している人がいます。歌うことは,詩の意味を分かり合い,曲の音色を確かめ合い,演奏の流れを測り合い,歌声を響き合わせることです。そこでは歌う度に4人の人が○○し合っているのです。しを合わせている,それが仕合わせ=しあわせの基本形であると考えることができます。その感覚を養うことによって,教室を離れた普通の暮らしの場で,人と人が何かを「しあう」ことができるようになれば,お互いにしあわせを招くことになるのです。
カラオケというと、趣味の世界,暇つぶしの一つといった認識が普通かもしれません。そのことを否定はしませんが,楽しく取り組めるはずです。なぜ楽しいのかと考えて欲しいのです。人は楽しいことは進んで取り組もうとします。生きている時間を費やすので,意味のないことは本能的にしないはずです。遊びという大して意味のなさそうな活動に進んで取り組もうとするのは,生きる上では必要なはずです。
自らの能力を十分に発揮しようとする前向きな願いは,生きる営みの基本的形であるはずです。そして,その活動を周りの人と協働することを励みと感じることは,人が社会性を生きる形に選んでいる証でもあります。福祉は生きていくことの発見でもありたいと思っています。
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