《携帯の 着信音で 顔見分け》

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 ブーンという鈍い振動音が聞こえてきます。反射的にパソコン脇に置いている携帯電話に目を向けます。点滅していないと,次に連れ合いの携帯が置いてある方を振り向きます。反応していません。そこで,やっとテレビからの音であることに気が付きます。紛らわしいことです。
 携帯電話では着信音を変えられるので,面白半分で相手毎に違った設定をしています。ところが,それほど頻繁に交信することがないので,誰からの着信か音だけでは思い出せません。切実ではないので,記憶しようという気迫が込められていないせいです。もっとも連れ合いからの着信だけは分からせられています。
 携帯という名が付いているので,いつも身近に置いておくことが当たり前と思っています。相手の電話も手の届くところにあるはずだと思っています。連れ合いに電話をすると,呼び出しはしているのに通じないことがあります。バッグの中に入れているので,着信が聞こえにくいという事情と,バッグを手放している場合があるからです。
 男性の服はもの入れとしてのポケットが備わっているので,バイブレーション機能で十分に肌が感知します。女性の服はスタイル優先のためもの入れが付いていません。あっても飾りです。そこで,バッグが必需品になりますが,どうしても外付けの収納というデメリットがあります。女性の場合,そんなものだと慣れているので,特別に違和感はないのでしょう。
 携帯は個人の専用電話です。緊急のときには,役に立ちます。ちょっと具合が悪くなったときに,身内に直接連絡がつきます。そんな経験をしたので,お互いに持っていてよかったと感じています。家族がそれぞれの生活パターンで動きまわっているとき,携帯による連絡ネットワークがあるということは安心できます。
 架かってくる電話は,相手が特定されています。こちらの番号を知っている人は,教えた人に限定されるからです。誰からの着信か,番号を登録しておけば,受ける前に表示されます。そこで,話を始める前に心構えができます。固定電話では,相手と言葉を交わすまで,誰からの着信か分からないので,緊張があります。もっとも,最近は相手先番号通知機能がありますが。
 携帯電話に架かってきた電話は,相手先の表示が出ない場合,非登録者ですので無視しても差し障りはありません。ところが,固定電話では番号がオープンになっているので,こちらが存じ上げなくても,家族に要件のある方が架けてきます。出ないわけにはいきません。今頃誰だろうという気持ちで受け取ります。
 電話はいきなり割り込んでくるので,受ける方には迷惑なときもあります。だからこそ,電話をするときには時間などを見計らって架けるなど,気配りが必要です。携帯は直通なだけに,人にくっついてどこにでも入り込んでいきます。マナーモードによる受信機能はありますが,架ける方にももっと礼儀が必要です。いつでもどこでも架けられるという便利さは,相手の都合のみならず,相手のいる場所にもお構いなしであることを知っておきたいものです。

(2003年03月09日号:No.154)