《一仕事 細かく分けて やり遂げる》

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 口では何とでも言える。その言葉がこちらの話の展開をへし折る場合があります。その言葉が相手の負け惜しみに聞こえる場合もあります。どちらかといえば口説の徒である身には,どちらに転ぶか,相手との力関係を見極めておかなければなりません。
 そこには,正論と実際,理想と現実の葛藤があります。話に筋が通っていることは分かるが,実際には当てはまらないということはたくさんあります。正論を持ち出して,そうすべきであると力説してみたところで,それを受け入れる現実の方に条件が整ってはいません。現実は常に不完全なままに据え置かれています。そのわけは通常コストが十分に賄われていないからです。いわゆる金がないということです。だから人がいないとなります。
 現実世界は整備不良のマシンのように,だましだまし動かされています。全てをやりとげることは不可能だから,取りあえずこれだけでも実行しておこうという風に動いています。やるべきことの優先順位を付けざるを得ません。忙しくて手が足りないときに,やらなくてはいけないことでも後回しにせざるを得ないという苦渋の選択をしています。目の前のことに追いまくられて,結局はし残しが生じてしまいます。
 社会生活でも,家庭生活でも,対人関係でも,自らの生活においても,やり残したことが出てくるものです。後になって,あのときにちゃんとしておけばよかったという後悔の種を蒔き続けています。ちょっとした判断ミスですが,それは大事なことを見極める眼力の無さと諦めなければなりません。
 誰かに何事かを依頼するときには忙しい人に頼めといわれています。忙しい人はてきぱきと仕事をこなしています。短時間で処理をする習慣がついています。し残しが出る最も大きな理由は,時間当たりの仕事量が低いことです。一つの仕事に長い時間をかけるから,仕事がさばけなくなります。
 仕事をするためにはまとまった時間が必要です。その時間をどうやって捻出できるか,それが分かれ道です。持ち時間には細切れになった時間がかなりあります。その短い時間に仕事のデッサンを仕上げます。細かな段取りを決めることができます。短い時間は考える時間として使えます。処理すべきことを自分の頭の中でイメージすることができます。そうすることで,仕事の半分以上は終わります。手を使うことについても,短い時間をつなぎ合わせていけば十分な時間を確保できます。
 複数の仕事を同時並行して処理するようにすれば,時間当たりの処理能力は高まります。細切れの仕事をつないでいけばいいのです。それができれば仕事がはかどります。補助手段として,こまめにメモを取ることが役に立ちます。メモをまとめれば,一仕事になります。そのほかに,無駄な時間を作らないことですが,そのためにはきちんと整理をしておきます。捜し物をする時間は無駄な時間なのです。5分を大事にすると,し残しはほとんどなくなります。

(2003年03月30日号:No.157)