《やりかけの 用事をこなす できる人》

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 何となく引っかかっている懸案があると,落ち着かないものです。しておかなければならないのに,他の用事で忙しいという事情にかまけて,ついつい後回しになっている用事です。そして,ついには期限を迎えてあわてふためき,取り返しがつかなくなっていることに唖然とします。ほんのちょっとしたことなのに,暇を見つけることができなかったわけでもないのに,気持ちが今ひとつ入らなかったと自分に言い聞かせるしかありません。
 インターネット上では信号はパケットという小さな断片となって伝送されます。まとまってひとつながりではなくて,バラバラにされて時間の流れに載せられます。時間を刻んだ隙間に来たものから詰め込まれて動いていくようなものです。人が5分の待ち時間の間に一仕事済ませるようなものです。寸暇を惜しむということで無駄を省いています。
 できる人とは時間の使い方が上手な人です。仕事を小さく区分けして,短い時間でこなしていける人です。凡人はまとまった時間がないと一仕事できないと思っていますが,とぎれとぎれにことを処理できないのです。忙しい人はやりかけの仕事をいくつも平行して進めています。途中で仕事を止めることができて,途中からでも続けられるのです。
 行動的な立ち居振る舞いは,やりかけの仕事を今はこれ,次にいく前にあれをしておこうという具合に,断片化された仕事を時間の流れ,場所の移動に合わせて取り分けて処理していることです。ついでに,あれをしておこうと思いつくことができるような気配りをしています。それがテキパキと仕事をするコツです。
 そうなるためには熟練が必要です。熟練とは仕事を細切れ状態にしても全体が見えているということです。ですから,途中からでもちょいと仕事になります。慣れない仕事をするときは始めから終わりまで一気にかからなければできません。途中で止めたら,後から続けるのに苦労します。作業の流れがアナログ的だからです。
 いつもやっていることではなく,新しく取り組まなければならない場合は,やるべきことを細切れにできません。さあ,始めるぞという気合いを掛けて,やり遂げるまでひた走る必要があります。その最初の気合いを掛けそびれたとき,引っかかったままに据え置かれてしまいます。慣れたことでないことは,先回しにして取り組む方がいいようです。
 明日にしようと後回しをしたら,永久に明日は来なくなります。今日できること,今日できるところまで,取りあえず始めておくようにすれば,明日はうんと楽になるはずです。それが分かっていながらできないのが,人の弱さなのでしょう。

(2003年08月17日号:No.177)