《段取りを 考え決めて 周知して》

Welcome to Bear's Home-Page
ホームページに戻ります

家庭の窓にリンクします! 家庭の窓

 幾つかの非常勤役職を背負っていると,いろんな書類が手元に届きます。案内・通知文書や依頼状など内容は種々雑多です。期日・場所・名称等は手帳の予定欄に転記し,パソコンの予定画面にも打ち込んでおきます。書類はそれぞれの分野ごとのファイルに綴じ込んで整理していきます。
 返事や届け出の必要な文書は,ホルダーにまとめて未処理として分けておきます。ところが,送付期日に余裕がある場合後回しにすると,納めっぱなしになりかけることがあります。一週間に一度はチェックをしているのでミスに至ったことはありませんが,慌てることはたびたびです。会議の準備などのように手間の掛かるものは,気になるので早めに処理を済ませるようにしています。ときとして二次的な資料の準備が必要なケースも起こりうるからです。
 幾つかの会長職を引き受けていますが,月間・期間の予定されている活動の段取りを取らなければなりません。事務局や幹部構成員の作業について的確に指示をしておく必要があります。組織全体を滞りなく動かすのは,組織を預かる会長の責任だからです。もちろん細部まで事細かに目を光らせるということではなく,全体の流れを掴んでおき,あとのことは皆に任せておけばいいのです。
 皆に任せるといっても,何をどうするかという決定権はいつも会長が担っていることを周知しておかなければなりません。このことは会長が偉いとかいった次元の話ではなく,責任を取れるのは会長しかいないという組織運営上の常識です。会長の知らない動きや決定が運営に紛れ込んでいくと,組織全体の流れに必ず齟齬を生じるようになります。例を挙げれば,誰がどの役割を果たすかという分担が混乱してしまい,手抜かりや行き違いが頻発するようになります。
 全体の流れを設計し,構成員の仕事分担を一人ひとりにきちんと配分し,会議という皆が揃った場で全員に伝えなければなりません。皆が自分の仕事を把握するだけではなく,周りの人が何をしているのかを分かってもらうことが大事なのです。組織活動は全体として一つなのです。組織活動のほとんどのミスは,周りの人の役割を理解していないから生じます。つながりが見えないから,そのつもりはなくてもやりっ放しになってしまうためです。ひどいときには,人間関係の軋轢にこじれてしまう場合さえあります。
 要(かなめ)として細心の気配りをすることは,組織全体の和やかさを維持する上でも不可欠なことです。組織全体の情報を皆が共有できるようにするためには,指示は会長からだけ発信されなければなりません。それぞれが思い思いに考えるから,情報が混乱し,動きがちぐはぐになります。
 たかが文書の取り扱いですが,情報操作という意味で,発信者は大きな責任を担っているのです。

(2003年10月19日号:No.186)