《佇まい 乱して恥じぬ 無粋者》

Welcome to Bear's Home-Page
ホームページに戻ります

家庭の窓にリンクします! 家庭の窓

 ショッピングセンターに連れ合いと買い物に出かけた折に,使っている薬がそこの薬局には置いてなくて,別のショッピングセンターにある行きつけの薬局にハシゴをしました。薬だけなので連れ合いだけが買い求めに行き,駐車列の左端に停めた車の中で待つことにしました。
 ぼんやりと連れ合いの出てくるのを眺めていると,岡山ナンバーの赤い車が横を通り抜けて,通路になっているところに止まりました。対向車と譲り合っているのかと思っていたのですが,若い女性ドライバーは降りてきて,そのまま買い物に行ったのです。そこは明らかに道として白線で区分けしてある部分です。何の躊躇もなく当たり前のように振る舞っているので,唖然とするばかりです。岡山あたりではそういう停車が当たり前なのかと思わされました。
 しばらくすると別の女性がワゴンに買ったものを乗せて店から出てきました。袋を車に積み込むと,ワゴンを駐車場にそのまま置きっぱなしで,スイッと走り去っていきました。後から駐車する人は迷惑するだろうに,すぐ目の前が店の玄関で,ワゴンを置く場所も用意されているというのに,使いっぱなしで平気のようです。何というしつけの悪さかと,嫌な気分になりました。
 いずれも自分勝手をまき散らして,不作法を知らない女性の姿に,社会的なしつけの弱さを感じてしまいました。成人しても甘えた性根を残しているというのは,誰も正してやれなかったせいです。当たり前の行動ができないのは,教えられていないからです。可哀相な人たちです。身近に誰かいれば言ってくれたはずですが,一人で暮らしているのでしょう。不作法は時として迷惑を通り越して,トラブルの種になります。痛い目に遭う前に弁えてくれたらいいがと願います。
 ちょっとぐらいのこと,見逃してもいいじゃない。見かけた人は皆そう思っているから,ことさら何の注意もしません。温情なのですが,一方で不快感を押し付けられています。社会生活はいろんな波が立ちます。波立たせる本人はいいのですが,巻き添えになる方はたまりません。ひどい事例は,スピードを出しすぎて対向車線に飛び出してくる車の巻き添えです。ちょっとぐらい早めに走ってもいいじゃないという甘えの結果です。
 自分の行動は必ず周りに影響を及ぼします。第三者の目でチェックする癖が必要です。最も簡単な方法は,人がしている通りにする,つまり常識的な行動をすることです。その中で人より少しでも楽をしよう,得をしようと抜け駆けをしたら,そこには必ずツケがついてきます。わずかなツケでも貯まってくると,途方もない返却が突然に請求されるはずです。世の中はそんなに甘くないのです。人の振り見て我が振り直せの一節です。

(2004年05月09日号:No.215)