《背景を 変えて浮き立つ 慣れた花》

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 前回の続きです。家の補修をする羽目になったということから,ついでにあちこちへと波及していますが,その一つとして連れ合いの希望でリビングの天井の壁紙の張り替えもすることになりました。これまでは,中央部の色が濃い青色で,全体が薄い黄色系の二色でした。一部に雨漏りのシミが残っていて,連れ合いがとても気にしていました。ウインド型のクーラーを2階の部屋に取り付けたとき,隙間処理が十分でなかったせいか,雨の日に雨漏りをしてしまいました。早速取り外し,雨漏りは治まりましたが,布製の壁紙にシミが残ってしまったのです。一度ついたシミは,ぬぐってもとれません。苦い失敗を思い出させる傷として,天井に居座っていました。
 壁紙を白いものに張り替えました。シミが無くなり,すっきりとしました。それと照明器具のバックが青色から白色に変わったせいで,反射光が増えて,部屋がとても明るくなりました。20年前と今の色使いの流行の変化に対応しているそうです。今は採光が主流になっているとのことで,勧めに従ってみると,時代の変化が見えてきます。壁をどんな色にするか,そんなことに好みやこだわりはありませんので,アドバイスを素直に受け容れています。
 連れ合いが気分を変えるための模様替えを言い出すままに,家具の配置を換えてみるということは数年に一度実行してきましたが,天井の張り替えなどは素人には無理ですので,そうそう変わるものではありません。シミのお陰といっては負け惜しみですが,大きな変化を経験することになりました。普段は天井などことさら見上げることはしていませんが,変わるとなんとなく目に入ってきます。特に夜は光の広がりの変化が部屋の感じを変えるせいか目立つようです。
 数日すると,次第に慣れてきて,それほど感じなくなってきます。そんなものという当たり前感が定着します。環境に適応するということですが,折角の変化を感じなくなるというのは少しばかりもったいないという気もします。人は変化し動くものだけを感じて,静止し定常なものには無感動になります。今日も明日も同じという暮らしに,楽しみを感じなくなるのは自然なことであり,何か面白いこととは常に事件などの非日常的な変動というものになります。
 夫婦も慣れてくると,感動や関心が薄れてくるのは仕方のないことです。家中で見慣れている連れ合いも,背景としての場所が変われば,違った魅力を発揮します。連れだって外に出るという機会を持てば,新鮮な感じが得られます。暮らしの単調さは,ちょっとした変化を持ち込めばあっさりと解消されますが,ほどほどにしないと元も子もなくしてしまうということもあるので,ご用心。

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(2004年10月17日号:No.238)