《狙われる 隙をふさいで 身を守る》

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 日本人は水と安全はタダだと思っている。かつて,イザヤ・ペンダサンという人がそのようなことを言っていました。最近は,水については購入するようになってきたようですが,飲み水に限られています。安全については,かなり深刻な事態のように思われます。最近の世論調査で,日本の治安は悪くなったという割合が多かったようです。自転車盗,オレオレ詐欺やひったくり,キャッシュボックスの強奪,ピッキング,カード犯罪など,昔はなかった手口が目白押しです。
 一つは,他人の金品をくすねても何とも思わないという破廉恥さ,もう一つは安全に対する無関心,無警戒さがあります。人間関係に対する見通しに甘さが出てきています。他人の心にある悪意に対しては,こちらはどうしようもありません。厳罰という社会的な制裁によって抑え込んでいこうという流れもでてきましたが,こちらにできることは,悪意を呼び覚まさないように対処することまでです。出来心とか,成り行きでという発端を軽減することは,こちらの気配りでできるはずです。戸締まりがしてなかったから,つい盗みにはいるということもあります。
 人を見たら泥棒と思え。そんな疑心を持つことは悲しいことです。しかしながら,現実はどこか悲しさがつきまとうものです。価値観の多様化ということが言われますが,そこには負の価値観もあるはずです。人を助けようとするプラス価値があれば,一方には人を利用しようとするマイナス価値も無いとは言えません。それを封じる手だてはリスク管理として大事なことです。安全は一人ひとりがなにがしかの気配りをしておかなければ得られません。
 悪意の特徴は,日陰であるということです。コソコソして卑屈で明るさが大の苦手です。暮らしのパターンをオープンにしながら,一方で肝心のポイントはガッチリとガードするというメリハリが大事です。守るべきことは細心の注意を払って守った上で,悪意を近づけないように明るい開放空間を作り出すことです。外から見えないように家の周りを囲んでしまうと,かえって不用心だそうです。人の目を遮断しようというつもりですが,人の目は悪意のある行為が見られてしまうという抑制力も持っているからです。
 近隣に目の届かない汚れた場所やモノが放置されているとしたら,隙があると思われてしまいます。隅々まで目配りが効いている場所には,悪意は近づこうとはしません。都市部で廃墟になった部分が悪の根城になりやすいという直感は正しいと実証されています。一人ひとりが守るべきことをきちんとする,せめてその程度の手間暇を掛けておかないと安全という網の目は筒抜けになります。完全ではありませんが,できることはしておいた方がよいのです。

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(2004年10月31日号:No.240)