《公民館 熱い思いで 建て替える》

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 地域の公民館が老朽化したので建て替えることになりました。17年度に着工する予定で話が進んでいます。公的には集会所という扱いであり,地域住民の財産です。もちろん社会教育的な施設として公的な補助金が支給されますが,上限があり全額を賄うことはできません。ここ数年の財政事情の逼迫化のために年々補助率も引き下げられています。逡巡すれば事情は厳しくなるという背景があり,決断が下されました。
 費用を抑えながらも現在の公民館規模を保ちたいという選択をして,設計図ができあがりました。建設費の不足分は1600万円です。最大の課題です。金融機関から借金をして10年ほどで返済をするという試算をし,住民から集めている町内会費に上乗せする方法が考えられました。月額400円程度が必要ですが,町内会費の5割アップ程度になります。計算は簡単なのですが,徴収する局面で問題が出てきます。
 地域に居住している人に種別があります。いわゆる持ち家と借家という住まいによる区分けがあり,さらに独身か否かという事情も重なります。住民であるということで一律負担とすることにためらいがあります。アパート住まいの若者に地域の公民館建設の負担を了解してもらえそうにありません。となると,家主さんに応分の負担をお願いせざるを得なくなります。あれこれ考えることがたくさん出てきます。
 そうは言っても,走り始めているので,動かなければなりません。先ずは,町内会費への上乗せ分をなるべく減らすために,寄付金を募ることから着手しました。よその地域の前例では,商店や会社からの寄付も渋くなっており,300万円程度だったそうです。当地域では数少ない商店などからは毎年消防活動のための寄付を頂いており,公民館建設の寄付を上乗せすることは困難です。住民の皆さんがどれほど寄付に応じてくださるか分からないまま,それでも500万円は集めないと毎月の上乗せ分が妥当な線に下がらないという試算の下で,建設委員と地域役員による寄付への協力依頼が実行されました。
 その際に出会ったのは,寄付をお願いする側と寄付をする側の気持ちのすれ違いです。お願いする側は,当初寄付金の額を一口いくらと決めるかどうか議論しました。何らかの目安があった方が寄付をする側にとって考えやすいのではという意見と,寄付はあくまでも寄付する側が自分の状況で判断するものであるという意見があり,後者の立場が選択されました。実際にお願いに訪ねると,必ず目安を問われました。相手の暮らしぶりに応じて臨機応変に対応をせざるを得ません。10000円程度を一つの目安として伝えたり,あくまでもいくらでもと伝えたり,さまざまでした。
 1ヶ月の寄付募集期間を終えて,1200万円以上が集まりました。予想を遙かに上回る額です。地域の公民館という一つのシンボル建設に力を貸そうという気持ちがとても有り難いことで,なんだかとてもうれしい気分を共有できました。
 この地域には農業者による組合があり,公民館の建設土地も組合所有地であり,無償で借り受けることになっています。もしも,組合から公民館建設になにがしかの寄付をしていただけたら,という気持ちを伝えることになりました。住民の熱い気持ちを感じていただけるのではないかという願いです。現時点ではまだ結論は出ていませんが,実現すれば万々歳です。他地区に誇れる住民パワーの凄さを頼もしく思っています。

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(2005年04月03日号:No.262)