《人の縁 誠意で受ける バカ夫婦》

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 今週は2度の忘年会で多少疲れました。酒類に馴染めない身なので,お付き合いの我慢酒は少ししかいただけません。宴席では目の前に並べられたご馳走がさっさと無くなります。飲むより食べるほうを好むせいです。手持ちぶさたにタバコに手が伸びていきます。酌み交わすということが苦になるので,席を立って親交巡りをすることはしません。お返しの盃を受けることが重なるときつくなるからです。宴の後半になると周りの人がいなくなることも度々あり,楽しそうに談笑している離れた席の輪を眺めています。別に寂しいという感傷はありません。和やかな宴席はそれなりに楽しいもので,あちこちの話に静かに聞き入っています。
 想定内の飛び込み仕事がやっと終わり,年末に向けて平常のスケジュールに戻りました。とはいえ,暇があるということでもありません。年末恒例の家庭内労働が控えています。それに加えて,新年に予定されている依頼仕事の準備作業がいくつかあり,手配を済ませておく必要もあります。先先を見ながら事を済ませておかないと,社会的な活動は円滑に動いていきません。外での仕事を家庭に持ち込まないというけじめが付けられればいいのですが,準備をする時間に個人の時間を当てなければなりません。のんびりと休日を過ごすという暮らしは,しばらく縁遠くなっています。
 何とか委員や何とか団体の世話役などを,夫婦揃って引き受けて,芋づる式に仕事が降り掛かって来ます。時間のやりくりに苦労し,忙しない毎日ですが,連れ合い共々気持ちは明るさを保っています。愚痴を言う暇があれば,何とか上手にこなす術を考えようという前向きさがあるからでしょう。人様に喜んでもらえるならとか,誰かがしなければならない苦労なら引き受けてもいいという物好きな姿勢が,今の有り様をもたらしているようです。手間暇手出しにうつつを抜かすバカな夫婦です。
 人様とのご縁が多少は結べていることは,有り難いことです。いささかなりとも頼りにされているというか,実は押し付けられこき使われているだけでしょうが,広い目で見ればお互い様でしょう。ご縁とは一方通行ではありません。ご縁を頂いたら,それなりの誠意をお返しすることが必要です。その時に気をつけなければならないことは,過ぎるということです。平たくいえば出しゃばり過ぎないということです。立場や身の程を弁えておくということです。お互いが必要なときにご縁を通じておくようにすれば良い形で永続きしますし,新しいご縁の芽も育ちます。
 自立している生き方とは,ご縁を上手に結ぶけじめから得られるようです。どちらかといえばつきあい下手の夫婦は,そのことを自覚して誠意にこだわっていることが幸いしているのでしょう。これからも不器用な生き方を二人連れでしていくことになるようです。

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(2005年12月18日号:No.299)