《楽しみは まとめの役に 耽るとき》

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 この2月は,少しばかり書類の作成につきまとわれました。法人からの計画策定と行政からの方針案について,共に諮問を受ける立場になり,仕上げの作業にかかっていたからです。本務とは畑違いの行政関係の報告書を作成する仕事に10数年関わらされていた経験が,久しぶりに呼び戻されました。
 いずれも委員会形式であり,会議の中で提案された事項を整理しまとめるだけの単純な処理ですので,大して気苦労にはなりません。ただし,一点だけにこだわっています。それは整理のための指針です。整理されていない文書ほど,読めないものはありません。目的とそのための構成,言い換えれば骨組みをすっきりと構築することが整理をする基本です。構成さえ明確にしておけば,具体的な事項はごく自然に振り分けることができます。整理された書類は,安心感を与え,読みやすさをもたらしてくれます。
 委員会形式で何かについてまとめた文書を作成する場合,その手続きについても一つのこだわりを込めて運営をしています。それは,委員の意見を引き出す手管ともなります。骨組みに沿ってまとめた文書を,荒削りのままに提示します。当然あちらこちらに修正をすべき箇所が露わになっています。大まかには整理されているので,読み込みやすく,したがって細部の荒い部分に目が届きます。当然に会議の場での指摘が活発になります。その修正をまとめに反映することで,会議のメンバーは文書の作成に貢献できることになります。会議への参加の意義が出てくるようになります。さらには,みなさんのご意見があるからまとめられたという,委員会としての形式が整うことになります。衆知を集めるためには,そのための仕掛けが必要なのです。
 みなさんの意見を引き出し,それを整理する,それがまとめ役の仕事であり,そうすることでまとめ役の負担も軽減されます。整理をする手間は出てきますが,整理が進んでいくプロセスを楽しむようにすれば,作り上げるという喜びも味わうことができます。
 一つの仕事は済み,もう一つはほぼ終わりを迎え,来週には解放されます。別の役目上の年度末に向けた仕事が待っています。そちらでは来年度に特別な事業が飛び込んでくる予定です。その目的に沿った構想を練ることが,次の考えなければならない仕事になります。そのまえに,これまでの経過に関する資料の収集が一仕事です。継続的な事業については,流れを掴んでおかないとギクシャクしたものになるからです。
 なんとなくついていくことと,まとめ上げることの間には,立場の反転があり,その転換をする機会がまた出てくるということです。一つひとつ,どこかに楽しみを見つけて,付き合っていこうと思っています。

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(2006年03月05日号:No.310)