《楽しみは 一期一会を 生かしきり》

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 3月は卒業の月,別れの季節です。ご縁には濃淡があり,淡いご縁になっていく方がいます。何事かの共同目的で参集するというご縁は,段落が来れば元の木阿弥と離別するのが世のならいです。とはいえ,いったんご縁が結ばれると,それは決して消滅するわけではありません。懐かしいという情感を紡ぐ縁としてご縁は残ります。再見,See You again,またお会いしましょう。
 出会いの数と別れの数は,きっちりと同じです。出会いから別れまでの時間の長さがまちまちであるだけです。これまでたくさんの学生と出会い,ひとときを過ごし,桜の季節に送り出してきました。見送る立場は,取り残されているのと同じ格好です。すぐに新しい出会いが待っています。毎年出会いと別れを繰り返してきたことが習い性になって,ご縁に対する思い入れが鈍くなっているかもしれません。また会えるということを信じているせいでしょう。
 一期一会。今のご縁を大事にする,誠意を持って接することを心掛けていれば,一会を後悔なく終えることができます。別れを惜しむという気持ちは,一会に対する手抜きの悔いがなせることかもしれません。十分な思いを出し切っておけば,爽やかに別れを受け入れることができます。そうであればこそ,一期一会の残心が温かなご縁となって,再び出会いの機会を呼び込んでくれます。何かの折に,ご縁をたぐって,違った形で新しい出会いを頂くことがあります。世間に言う「声を掛けて頂く」というつながりです。
 人間,至る所に青山あり。それはご縁のネットワークが広がっていくと,思いもよらないつながりに遭遇し,素晴らしい出会いを得ることができるという意味でしょう。潔い別れをすることができれば,潔い出会いが必ず待ってくれています。今を一所懸命に励む,できることはそれだけです。昨日を励むことも,明日に励むこともできません。今のご縁を大事にすることです。
 いろんな人とのご縁があるお陰で,次から次に新しい出会いをいただいております。もちろん,同じだけの別れもありますが,それは必ず次の出会いにつながっていきます。同じ釜の飯を食べた仲間,それは別れても,いつまでもつながっています。人脈とは出会いと別れの数に比例しており,陰になり日向になって助けていただく有り難いものです。別れを楽しむことができるように,今に気持ちを込めていこうと思っています。

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(2006年03月12日号:No.311)