《楽しみは 画像のメモを 整理中》

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 このところフィルムカメラが戸棚の奥で眠っています。高級カメラではなかったので,あっさりとディジタルカメラにバトンタッチしました。現像の依頼をしなくて済むので重宝しています。画像の整理も楽ですが,難点は気軽に何でも撮影するので枚数が増えてしまうことです。削除できますが,つい億劫になって貯まってしまいます。
 暮らしのスナップ記録として写真を撮っていたときは,従来のカメラで間に合っていました。ところが,連れ合いが団体の役員になって広報担当をするようになると,人に頼って写真を揃えるだけでは済まなくなりました。欲しい写真が入手できないのです。広報に掲載する写真はそれなりの構図が求められます。全体の様子がうかがえるような表現を必要とします。例えば,行事の広報では看板や垂れ幕などの写し込まれている写真が要ります。連れ合いが自分で撮りたいと思うようになりましたが,フィルムカメラでは焼き付けてみないとできあがりが分かりませんし,何よりも24枚撮りのフィルムでは無駄が出てしまいます。そこでディジタルカメラと交代ということになりました。連れ合いは,撮った写真をその場で確認できて,好きな枚数だけ撮影できるのが気に入ったようで,事ある毎に持ち歩いています。
 ホテル経営のコンサルタントをしているプロフェッショナルがNHKテレビに登場していました。その方は会議の時間を短く効率的に済ませているそうです。その秘訣は,必要な情報を画像で提供することでした。百聞は一見にしかずということで,言葉で冗長な説明をする必要がないのです。普段からあらゆる問題になる場面をディジタルカメラに撮り貯めておき,必要な画像を会議の席で提示するだけだったのです。画像記録は短時間で説得力を発揮できるメリットを巧みに使っていることには,感心させられました。映像メモの使い方について少しばかり検討してみる価値がありそうです。
 画像を撮るときには,何を撮るかというテーマを明確に決めておくことが大事です。提示したときに何の画像かということが読み取れるように,必要な情報を写し込んでおく構図やシャッターチャンスがあります。事象は流れていきます。文章は後で思い出しながら書き出すことができますが,画像はその一瞬にしか存在しません。後で撮り直すことは不可能です。チャンスを逃すことはできないのです。そのことを忘れないようにしておかなければなりません。
 画像によるメモは若い人たちによって既に携帯のカメラを使うことで気軽に実行されています。書店などで雑誌の必要な部分をカメラメモしているということが話題になっていました。購入しないで情報を盗み撮りしているという趣旨の指摘がなされていたと記憶しています。便利だからと使い道を間違えてはいけません。撮影はメモとは違うということです。丸ごとコピーという側面のあることが,メリットでもありデメリットにもなるということです。ディジタルカメラの使い道を考えてみる楽しみが出てきました。

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(2006年08月06日号:No.332)