《楽しみは することのある 忙しさ》

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 連れ合いの勤務先への送りは,非常勤の講義日と重なるとき,方向が逆なので少し早めに家を出ることになります。送っていく方向はラッシュとは逆なのですが,その後が朝のラッシュに飲み込まれてしまいます。送らなければラッシュの先頭に入りこめるのに,わざわざラッシュの最後尾に回る羽目になります。普段は5分ほどの道のりを3,40分かかります。「行ってらっしゃい」。でも,後が疲れます。
 勤めを終えるころを見計らって,連れ合いを迎えに行きます。少しの待ち時間,車中で新書に目を通します。数ページですが,繰り返すと案外早く一冊を読み終えています。帰宅の車中,連れ合いは一日のことを話しかけてきます。何をして何を考えてきたか,連れ合いの一日を窺い知るひとときです。たまにはカーラジオに耳がいっていて,聞き逃すこともありますが,訳が分からなくなるほどの話の欠落はありません。十数分の連れ合いとのドライブです。「お帰りなさい」。
 連れ合いが帰宅直後に夕食の準備に入ったとき,冷蔵庫をのぞいて「○○がなかった」と口走っています。献立に必要な食材がないのでしょう。「買ってくるよ」と近くのスーパーまで自転車で走ります。夕方の路地道を秋の風を受けてのんびりと景色をかき分けていきます。店内にはいると,目当ての食材を探してカゴを下げて通り抜けます。いくつかある場合は,買い落としがないように反復確認をして精算します。帰宅すると,「ありがとう」。滞りなく夕食ができあがっていきます。
 入浴を終えてしばらくすると,洗濯機が呼んでいます。縁側に衣類を干すとき,ねじれている衣類を解きほぐして,連れ合いに渡します。渡す順番は,靴下類,下着類,シャツ類,タオル類など,なるべく同じ種類のものを揃えるようにします。狭いところに干すので,整理した干し方が必要だからです。洗濯物入れカゴを片付けて,脱衣カゴを片付けて,風呂の水を汲み上げるホースを片付け,風呂場の小窓を水分抜きのために開放し,洗濯が終了します。「お疲れ様」。一日が終わります。
 就寝までの小時間は明日の準備です。いくつかの団体のサブ的な役を持っている連れ合いは,担当する部門に関する用意すべきことがらがあります。段取りを落とさないように処理し,同時に次期の役員に引き継ぐファイルも整えていきます。必要な書類を作るとき,「お願いがあるんだけど」とそばに寄ってきます。既に使った書類のメモリーがパソコンに入っているので,出力印刷を頼まれることになります。手短に修正を加えたりして,プリントアウトします。「はい,ドウゾ」。
 連れ合いとの内助・外助のつきあいが当たり前に続いていきます。共に第二のささやかな勤めがある幸せを忙しがりながらかみしめています。願わくはもう少し実入りがあれば・・・と語り合い笑っています。バタバタと慌ただしくても,することがあるという境遇を共に楽しんでいます。

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(2006年10月22日号:No.343)