家庭の窓
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普段お金は持ち歩きません。カードもガソリン購入に使うものしか持ちません。外で飲み食いをすることもないので,外出の際は交通費のみ小銭を持参します。お金を持たないので,うっかり落とすという経験もありません。子ども時代にはお使いのお金を無くして叱られたことはありますが。拾うことはたまにありますが,硬貨です。それをどうするかは世間並みに対処しています。
テレビを見ていたら,現金を落としたり拾ったりという統計データが示されていました。年間にお金を落としたと警察に申し出のあった金額総計が414億円,拾ったと警察に届けられた金額総計が139億円,そのうち落とし主に戻った金額総計が96億円だったそうです。単純に計算すると,行方不明になってしまった金額が相当あります。それにしても平均して毎日1億円以上のお金が落ちていることになります。どこにあるのか知りたいものです。
先日近くのスーパーで外出のついでにティッシュを買ってきました。ストックをきらしていたので買う必要性があったからです。ところが,レシートを見ていた連れ合いが高いとこぼしています。いつもは少し離れた場所のスーパーで買い物をするのですが,そこに比べてかなり高いというのです。150円ほどです。ティッシュが値上がりするということを聞いたことがあるので,そのせいかなと思っていましたが,後日いつもの買い物では確かに安い価格でした。
高いと言われると,高い買い物をしたことを責められているようで,いささか落ち込みました。連れ合いにすれば高い値段を設定しているスーパーを責めているつもりなのでしょうが,それを見分けられない買い物客の方が最終的な責任を感じてしまいます。値段を見ずに必要だから買うという習性が徒になりました。もっとも,細かい計算をすれば,遠いスーパーまでは車で出かけるので,ガソリン代が計上されなければなりません。出費としてはどうなるかを考えるべきという反論も可能です。
もしも,気を利かせて買うのではなく,連れ合いから途中で寄って買ってくるようにいわれたとしたら,高くて文句が出ても,それはスーパーに対することと思うことができます。ただのお使いには咎められる落ち度はなく,買わせた責任が連れ合いにあるからです。そこで,言われるまではしないで,わざわざ気を利かせることもしなくなります。結局,言わないと何もしてくれないという所に落ち着いていきます。
世間で聞かれる若者の指示待ち症候は同じようなプロセスを辿って現れてきます。自分が気を利かせてしたことがしくじったときの責任を回避する知恵です。それが習い性になると関係は滑らかに進まなくなります。もっと広い視野で考えるようにしなければ,気持ちが狭くなります。
高いからとティッシュを買わずにいたら,ティッシュのない数日を過ごすことになったはずです。何となく叱られた格好になりましたが,暮らしが滞りなく送れたことを喜ぶことにします。良いように考えていけば,気分は楽しい方に動いていきます。
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