《初春は 大きな夢を 見たいもの》

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 ***** 皆様,新年明けましておめでとうございます *****

 記念すべき年が明けました。新しい年,新しい世紀,新しい千年紀と三重のめでたさです。昨年末には,20世紀を振り返るといった企画がいろんな分野で行われていました。さすがに,千年を振り返るものは無かったようです。人の一生には一世紀程度が等身長なのでしょう。
 みんなで迎えた新世紀ですが,さて,これからどんな気持ちで過ごせばいいのでしょうか? 日々を忙しく駈けることに慣れている身は,世紀を迎えた初体験の前では,何ともぼんやりするだけです。
 100年前の20世紀を迎えた人たちは,新しい世紀への夢を語っていました。それは驚くほど今の生活に近いイメージでした。夢の設計図があったから,幾多の紆余曲折を経て,今の社会が実現できたのでしょう。それを思うと,新世紀への夢が語られているとは思えない21世紀は,設計図のないまま突き進むことになるのでしょうか?
 豊かさの中で何不自由しない生活からは,夢は生まれません。夢に期待する必要がないからです。人が思い描くことのできる最高の生活,昔の王様がしていた生活以上のものを既に手に入れてしまいました。さしあたって必要なもので欲しいものは見あたらないことが,そのことに気づかせてくれます。これ以上何を求めればいいのでしょうか? 贅沢な悩みです。
 世情はIT革命に向けて動き出しています。情報技術の普遍化ですが,それは単なる手段に過ぎません。大事なことはITを使って何をするかということです。新世紀という大きな時間に見合う視野の広がりを持たなければなりません。地球を見渡すためのITなのです。
 豊かさは地球の一部に偏在していることを知るでしょう。日本の食事量の3割が残飯になっているということを知るでしょう。当人は反省するだけで済みますが,食事がままならない国の人は羨望を突き抜けて憎しみを持つでしょう。かつて庶民が王様を憎んで起こした暴動が,地球規模で再来するかも・・・。
 先進と後進・開発途上といった社会発展段階の時間差の考え方が20世紀まで残されていました。21世紀の夢はその指標が消滅することになるでしょう。ただ道は険しいはずです。宗教や民族といった根元的な多様性がどこまで折り合いをつけられるかがキーポイントになります。心のボーダーレスにIT技術がどれほど貢献できるか,その成否は情報の温かさに掛かっています。次世代への期待です。

(2001年01月07日号:No.40)