《男女とは 命の再生 名付けられ》

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 男の字は田畑で力を使う人という意味で,女の字は手を組んで座っている姿を現しています。ちなみに母の字は添い乳をしている姿を表現していますので,中の点をつないで書くと失礼になります。
 オトコとオンナという音にはどんな意味が込められているのでしょう。万葉の昔,オトコに対してはオトメでした。オトとはオツに語源を持ち,復元され若返るとか,再生するという意味を持っていました。そこで,子どもを産める,子どもをつくる機能があるということで,男はオトコ,女はオトメと呼ばれました。オトメとは処女ではなく,生殖能力がある女性を言いました。
 やがて寄る年波には勝てず,オトコでなくなるとオキナ,オンナでなくなるとオミナに変わります。そのオミナが訛ってオンナになりました。妊娠については,男性は自己申告ですが,女性には母体保護への天の采配から妊娠適齢期があり,それを卒業したときオンナと呼ばれていました。
 オトコのオトは再生するという意味であったと知れば,我が子を養育する責任が名に込められていることを納得できるでしょう。オトコとはまさに父親の意味を持っているのです。
 本来,男女は子どもに対してのみ共通性と異質性を表す言葉でした。それが社会生活上の分業にまで拡大されたとき,いろいろな性差別が組み込まれてしまったのです。男女共同参画がこれからの社会の目標ですが,それは言葉が生まれた原点に帰ることでしょう。
 神話の世界で最高の神が女性であるのは,日本の独自性です。そのことが「原始女性は太陽であった」という宣言になっています。昔は天動説で,地球の周りを太陽が回っていましたが,男性の周りを女性が回っていると考えたのでしょうか? 今は地動説で,太陽の周りを地球が回っています。太陽の自覚を示して,明るい21世紀にしてくれることを願います。そういえば,かかあ天下の我が家では,どうなるのでしょうか?
 江戸時代,武士の妻は三尺下がって,町民の夫婦は道の左右に離れて歩いていたそうです。下がることが身分から出たことと考えるか,あるいは危害から守られていると考えるか,離れることが席を同じくしないという道徳と考えるか,あるいはお互いを独立したものと尊重していたと考えるか,どんな尺度を当てはめるかで,事態の意味は違って見えます。一人ひとりが自分の尺度を確かめておかないと,意味を取り違えるかもしれません。 

(2001年01月14日号:No.41)