《よろこびは 生きる仲間と 会話する》

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 ガラス戸の外が騒がしくなったので目を転じると,立木にスズメの群れが憩って話し合いをしています。いつもでしたらすぐに目の前の田んぼにある稲刈りの後に伸びた稲穂に降りて食事ですが,今日は違います。話が長引いています。小雨が降っているので今後の予定の変更について話しているのでしょうか? レースのカーテンの外ですので,こちらの動きは見えていないせいか,夢中になっています。枝のてっぺんにとまっているもの,斜めの枝に無理矢理つかまっているもの,嘴を枝でぬぐうようなしぐさをするもの,あっちこっちに止まり直すもの,その間お囀りは途切れることなく続いています。30分ほどして,飛んでいきました。
 静かになりましたので,驚かすこともなくなり,カーテンを開けると本降りの雨になっていました。今日の散策は中止と決めて,家に帰ったのでしょうか。見渡してみると,向こうの家のひさしの下で雨宿りをして快復を待っている群れがいます。しばらくすると,また戻ってきました。雨にも負けず健気に生きているようです。頑張れ,スズメたち。
 今日のことは今日済ませておくことが生きていくリズムです。期末の追試験を午前中に終えて,昼食もそこそこに午後の研修と会議を済ませて,やれやれ今日も終わりと帰宅すると,数通の文書が届いていました。新たな次の仕事が舞い込んできます。処理時間を見計らって今日と明日の段取りをし,必要な作業をこなしていきます。やれる事を終えて,結果を届ける準備を済ませて,ついでとなる他の出掛ける予定とリンクしておきます。何処まで終えておけばいいのか見計らいながら,今日一日の段取りを決めて作業は続きます。
 今日できることを済ませておかないと,明日には明日の仕事が生まれます。明日になれば新しい今日の仕事があるのです。スズメたちは雨に打たれながらも飛んでいったり戻ってきたりを繰り返し,葉陰に止まり休みを取っています。雨が降って嫌だななんて思いもしないのでしょう。今日のことは今日するだけ,今日を生きなければ明日はないですから当たり前です。今日生きるのは嫌だから明日生きよう,そんなことはできません。生きているのは今日しかないのです。
 やらなくてはならない仕事,そう思うと楽しくありません。自分が関わることのできるものがあると思うことで,よろこびを感じることができます。させられているのではなく,しているという気構えを持つこと,追い立てられるのではなく,追いかけていく余裕を持つことを心がけるようにしています。
 2メートルほどの所にいるスズメたちと心の会話をしながら,静かにキーボードを叩いています。生きる仲間がそばにいてくれるのは,よろこびに満ちた活力を与えてくれます。

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(2008年03月09日号:No.415)