《よろこびは 舞い込む便り 開くとき》

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 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて,平成20年度○○○を下記のとおり挙行いたしますので,ご多用中とは存じますが何卒ご臨席の栄を賜りますようご案内申し上げます。 敬具

 ある所から届けられたご案内状です。目を通したのは,開封前に封筒の差出人(機関),書面を開いてからは,案内状のタイトル,日時と場所,返信の締切りです。つまり,上記の本文は全く読んでいません。読まなくても分かっているということです。差出人と時期を勘案すれば,主旨は察しがつくからです。定例の案内なので,本文は前略ならぬ全略でもいいようなものですが,そこは形式を整えるのがマナーですから,差出人の立場ではわかりきった本文とはいえ欠かせません。
 もちろん,差出人と受取人が了解し合える間柄でない場合には,本文は読まなければなりません。その場合でも,必要な所は「さて,・・・」の部分です。差出人が何を求めているのかを知らなければ,応答の仕様がないからです。ただ,私文書ではない限り,さっと目を通すだけで済みます。
 飛び込みでいろんな所から郵便物が届けられます。差出人・機関を見て,関係のない所からのものは開封せずに破り捨てます。一方的に押しつけてくるものにつきあうつもりはありません。情報社会の中では,好まない情報も届けられます。届ける方には広く発信するという事情があるのですが,受信する方にも事情があります。双方にとって必要なものであれば,発信と受信がマッチングする,それだけのことです。伝えても伝わらない,そんな情報があふれています。
 逆のことがあります。伝えて欲しいのに伝えられないことがあります。先の案内状についていえば,時間が開始時間のみで、終了時間予定が記されていません。会議であれば協議の時間が読めないということもありますが,行事的な場合は予定時間は決まっているはずです。およその終了時間が告げられていれば,こちらの予定を立てることができます。招かれる方は往復の時間を費やさなければなりません。招く側にその時間も含めて頂戴するという気配りが欲しいと思います。
 封筒の宛名について、時々気になることがあります。一つは宛名の文字が右端にへばりついており、今にもこぼれ落ちそうな風情のものがあります。落ち着きが悪い印象を受けます。もう一つは,肩書きの間違い,名前の字違いです。間違っているものは開封せずに廃棄するという方もおられるようですが,そこまではせずに一応は開いてみることにしています。たいていは差出人が若い方なので経験不足と思いやりながら,大目に見て見逃しています。
 今日もまた数通の郵便物が届きます。郵便受けを見て空の時は,いくらか寂しい気分になります。たとえ見る気にならないものであっても,届いて欲しいと待っているのも,人とのつながりをよろこぶという気持ちがあるせいなのかもしれません。勝手なものです。

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(2008年03月30日号:No.418)