《横向けば 連れ添う人の 笑みがある》

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 クマさんは寒さが苦手なので冬眠したい気分ですが,連れ合いは昨日から仲間たちと会津に旅をしています。楽しんでいることでしょう。我が県での夫婦に関する調査に旅を共にする相手についての設問がありました。夫は「妻と一緒に」が最多でしたが,妻は「友人と一緒に」が1位でした。このすれ違いは,夫族に大いなる反省の材料なのかもしれません。
 ところで,何を反省すればいいのでしょうか。夫が選ばれなかった理由の一つには,旅先ではゆっくりしたいのに夫が一緒では世話がやけるという年輩層のご婦人の声があるでしょう。もう一つは観光の狙い目が違っていることがあります。男は歴史や自然へのロマンに興じるのに対して,女の方は花より団子という風情がお好みのようです。観光スポット毎におみやげを買う楽しみをお持ちです。もちろん個人としての嗜好もありますが,妻が友人と一緒に行きたがるのには,夫にはない気楽さがあると同時に,友人とはどこか同じであるから楽しめるのでしょう。
 夫婦が家庭の中で向き合っていると仲睦まじい風景です。若い時期は家庭を造る時期ですから必要なステップです。連れあいの好きなものは好きになろうというすりあわせの時期です。こうして夫婦が似てくるようになります。問題はその後です。いつまでも向き合ってばかりいると飽きてきます。夫には何の悪いことをした覚えもないのに妻から離婚される事例が増えていますが,その理由は一緒にいて楽しくない,ときめきがないということです。
 夫は悪いことはしていないんですが,夫婦にはもう一つ次のステップがあることに気が付いていないからです。夫婦の結びつきは愛情ですが,やがて友情に転化すると言われます。情に報いると書いて情報ですが,夫婦の情報のあり方にも心配りをしなければなりません。
 夫婦であるためには向き合うのではなくて,横並びになって一緒に外に向かわなければならないのです。子育ては夫婦が一緒に子どもに向かうということですから,共同責任を担う形で同士になるきっかけになります。この準備期間を経て子育て後の対象は家庭の外に向かいます。中には孫という対象に没入するケースもありますが,夫婦揃って何かに向かっているという友情にはなりにくいでしょう。
 子育てを妻に任せてばかりいると,夫婦の友情は芽吹くことなく,夫はいてもいなくてもいい人か,いない方がいい人になるおそれが大です。共楽に耽ることも大切です。

(2001年01月28日号:No.43)