《うれしさは あれこれあって 年を終え》

 
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 平成21年の最後の週になりました。ただし,5日しかありません。週末は22年に代わります。年の瀬の忙しさも中盤を過ぎ,追い込みに入るときです。もちろん社会的な仕事は一般には終わっていることでしょう。年末から年始に掛けて,里帰りや旅行にと外出をする人もいるはずです。そんな世間の動きを横目で見て,ひっそりと家庭での静かなときを過ごす予定ですが,その前に大掃除を仕上げておくことが慣例です。連れ合いは手足の痛みがあるので,力のいる仕事は独占しています。ただ,年々手抜きの部分が増えてきて,情けない思いをしています。
 暮れの一つの作業に,年賀状の投函があります。早めに出すようにと急かされていても,いつもぎりぎりになります。押し詰まってこないと,年賀という気持ちになれなくて,つい先延ばしにしてしまいます。これまでのお付き合いから,例年200通以上を出していますが,そろそろ付き合いの範囲を狭めていこうかなと思い始めているところです。いきなり賀状を出さない,返信もしないという方もおられましたが,それも無粋に思われ,かといって,これで最後と辞退する文面は興ざめかなと案じたりしています。どのように引き上げていくか,作法があれば知りたいところです。
 正月飾りのしめ縄は,地域のボランティア仲間が手づくりしていますので,分けてもらっています。そろそろ届くことでしょう。玄関の上部の広さに合わせて作ってもらえるので,有り難いことです。縄をなう仕方によって形が変わるそうで,小学生の帰宅時間の見守りの折に,いろいろと講釈を聞いています。以前はスーパーで買ってきたしめ縄を張っていましたが,作者が分かっているものはひと味違うような気がしています。
 連れ合いは,玄関に通じる短い通路脇にある花鉢の花を正月用に植え替えていました。年賀の人も訪れることはなくなりましたが,気構えはきちんとしておきたいようです。ご先祖様が訪ねてくると思えば,やはりそれなりの気配りをしておきたいものです。若い人は旧習と思ってなんの意味づけも感じないでしょうが,自分に対する一つのけじめとして続けています。命が連綿とつながって,今の自分があるということを確かめるのが,新年の節目です。命を受け継いだことを感謝するために,心静かに新年を迎えることにしましょう。
 この1年を振り返ると,喜怒哀楽の種がちりばめられています。そのすべてを引き受け,また受け入れて,そこそこに落ち着いた気持ちで終えることができることを喜ぶことにしましょう。こんなものだろうと欲張らないようにすれば,後悔もそれほど深くはありませんし,喜びも踏み外すほどにはなりません。見方によっては,活力の不足となりますが,年の功と考えておきましょう。
 様々な場面で多くの方のお陰をいただきました。深く感謝をしつつ,今年最後のコラムといたします。

 このコラムをお読みいただいている皆様方へ

 楽しい年越しと,素敵な新年をお迎えくださるよう,お祈りしております。

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(2009年12月27日号:No.509)