《しあわせは 豊かさのあか そぎ落とし》

 
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 行きつけのスーパーマーケットで,買い物バックを持参すると,2円の割引になります。レジに立つ度に,買い物袋をお持ちですかと確認されます。持っていかないとなんとなくいけないような気分に追いやられます。別のお店では,ポイントカードをお持ちですかと確認されます。持っている方が持っていると言うのではないところが,押しつけがましい感があります。
 レジ袋の単価がいくらなのか知りませんが,レジ袋をもらうと,袋の値段が買い物の値段に含まれていることになるようです。売る側の立場に立てば,至極当たり前のことです。買う方はレジ袋は只で貰えるサービス品と勘違いしているかもしれませんが,大量の袋が只であるはずもありません。売値の中に含まれて見えなかっただけのことです。2円という形で,表立ったのです。
 あるときの話の中で,診断書を貰うときの費用が医療機関側で任意に決められるという話がありました。話の成り行きは,たかが書類一枚が1万円近くするというのは高いのではないかという雰囲気です。書類一枚ということではなく,そこに記載される内容に対する対価であると考えなければなりません。医師にとって最も能力を求められるのは,病状を特定すること,つまり診断を下すことです。病名が分かれば,治療はほとんどの場合決まった手順に従うことになります。手術という技量も対価の対象になりますが,診断こそが最も大事な治療です。
 医師の診察を受けにいって,医者から「風邪ですか?」と尋ねられて,患者が「風邪かどうかを診断するのが医者であり,患者に聞くな」といった笑い話みたいなことがあります。見立てこそが医者の本領です。医者にとっては,診断は最も難しい営為となります。その結果を書面でもらうのですから,高いのは当然ということになります。
 透明な袋に割り箸が入っています。連れあいが使ったものですが,ふとみると,文字が印刷されています。「一膳当たりの木材使用料を約16%削減(当社従来比)しました。環境に配慮し,つまようじを省きました」とあります。単純計算すると,従来の7膳分の木材から8膳の箸が作られることになり,一膳当たりの材料費のコストが割安になるということもあるかもしれません。もちろん,エコが目的なのですが,コスト削減というメリットもあるのでしょう。割り箸も消費者にとってはおまけみたいに付いてくることが多いのですが,提供する方にすれば数の効果が働き侮れません。
 ちりも積もれば山となる。遙かな昔,貯金を奨励する際に聞かされた言葉ですが,消費の時代には消えています。あった方が便利であるという程度のモノについては,有限な資源や環境破壊という視点からエコ運動として,考え直そうという兆しが出てきました。消費過剰の中で生まれてきた食べ残すほどの食事が豊かさであるといった勘違いも,払拭したいものです。

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(2010年04月18日号:No.525)