《しあわせは 悔やむことなく 受け止めて》

 
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 移り住んできた当時は田んぼであった隣地が,10年ほど前に持ち主の都合があったのでしょうか,宅地に造成されて立派な平屋の一軒家になりました。ところが,昨年突然に売却され,業者の手に渡り,十分に住める家屋があっという間にもったいなくも取り壊されて,2×2の4区画の更地に変わりました。直近に隣接する一区画は業者設計のモデルハウスが建ち,残り3区画は更地として,売りに出されていました。なかなか売れないようでしたが,モデルハウスに入居する方が転居の挨拶に来られた後,残り3つの土地でバタバタと建設工事が始まり,現在ドンドンパンパンカタカタと慌ただしい建築の音が聞こえてきます。
 前の一軒家の時には広い庭があったので,家の間に余裕がありましたが,4軒が建つとなるとそれぞれが敷地いっぱいになるので,目の前にそびえ立つといった圧迫感を醸し出します。開放感がなくなって,住み心地がかなり割引されてしまいます。田園が住宅地に様変わりしてきたので,そうなることは当然ですが,家を建てたときとの様変わりは,こんなはずではなかったという思いを強くしています。家の一方がまだ田んぼのままなので救われていますが,いずれ宅地に変わることもあり得ます。今少しそのままであって欲しいと思っています。
 都会のビルの谷間というほどのことではなく,2階屋が連なるということですので,大げさに気落ちすることもないのですが,わがままなつぶやきはつい出てしまいます。日照のかげりがあることで,庭の植生に影響があることが気になります。幾分か手直しを迫られることでしょう。余計な作業を押しつけられるようで,うんざりしますが,気の持ちようと考え直すことにしています。ぼやいてどうなるものならぼやきがいもありますが,どうにもならないことは受け止めて善処するほかありません。生きるということは,降りかかる流れをどう生かしていくかということです。
 人の境遇は千変万化の連続です。状態が永劫に固定されているわけではありません。その避けられない変化に対処するために,人は考える力を発揮して生き延びてきました。結果として,境遇の変化は人を日々変えていきます。知恵が蓄積され,人としての器量が備わっていきます。苦労しなければ大きくなれないという生き方が,古来からの指針であることを受け継いでいくしかありません。現在の家の周りの変化は生き方に結びつけるほど大層なものではありませんが,一事が万事と思えば,気持ちの安穏を招く上で,整理の仕方になります。
 寄り添って居住をする限り,多少のことはお互い様です。自分だけがあらゆる面で快適にということは,できるはずもないことです。宝くじが当たったら快適さを手に入れることができるだろうと思うこともあるでしょうが,本当にそうなるか,経験がないので分かりません。おそらく違った面で快適さを失うことになるでしょう。現状から逃げることを願ったら,生きていく道筋を曲げることになります。ありのままに素直に現状を考え続けることを選んでいこうと決めています。

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(2010年05月16日号:No.529)