《しあわせは 卵に込めた 意味探り》

 
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 ネットのニュースに面白いものがありました。以下(参照)はその記事です。

人類古来の"大疑問"に英科学者が結論…「鶏が先、卵が後」
【ITニュース】 2010/07/15(木) 17:43

 「卵が先か、鶏が先か」――。英国の科学者チームがこのほど、人類古来の"大疑問"に結論を下した。たんぱく質を解析したところ「卵が先にあったとは考えられない。したがって、鶏が先」という。チャイナネットなどが報じた。
 英国のシェフィールド大学とウォーリック大学の研究者チームが、Ovocledidin−17(OC−17)というたんぱく質を研究した結果、分かった。チームはスーパーコンピュータを駆使して、OC−17が鶏の体内で卵の殻の形成に決定的な役割を果たしていることを突き止めた。
 鶏の卵の殻は方解石結晶となった炭酸カルシウムで構成されている。OC−17は方解石結晶の生成を促進するという。方解石結晶は多くの動物や鳥類の卵に含まれるが、成熟した鶏の雌は方解石結晶を作る能力が他の動物に比べて極めて早く、24時間内に6グラムを作りだす。
 鶏の卵の殻は、ひな鳥が生まれるために必要不可欠なものだ。そして、OC−17は鶏の卵巣に特有のたんぱく質だ。科学者チームは「母鶏がいてこそ、きちんとした卵ができる。したがって、鶏が先。卵は後」との結論をくだした。(編集担当:如月隼人)


 明らかになったことは,卵は母鶏にしか産めないということのようです。もし卵が先だとすると,卵を作り出したものが母鶏以外にも存在したことになりますが,母鶏だけがきちんとした卵を産み落とせるとなると,卵は先にはなれないということです。
 卵と鶏の先陣争いは,物事が決まらないことの例えとして使われるフレーズです。循環する因果関係に現れる疑問は,円の始まりの点はどこかという疑問と同じものです。因果関係は時間軸に沿った思考です。時間は過去・現在・未来と一つの線状に流れている座標であり,戻りはありません。この時間軸の中で生態を見るとき,進化という流れにたどり着きます。
 地球が誕生し,生命が誕生して,人につながっているという一本道の経過を見ているとき,鶏と卵という循環をどのように組み込めばいいのでしょうか。鶏と卵は,人と卵に置き換えることもできます。人の卵は人の中の女性だけが持っています。しかしその卵が命を持つためには,人の中の男性との結合が不可欠です。遺伝子の多様性を獲得する生命の戦略です。人は猿の変種?であるという進化の流れに沿うと,人と人の卵の関係は人の誕生が先になります。同じパターンで,鶏が誕生しているから鶏の卵が産まれます。その鶏をつくったのは,と進化の系統をさかのぼっていくことになります。結局,生命の誕生という原点に行き止まることになります。卵というものに込めていたイメージは生命の誕生という疑問であったと気付いて,素人の思考はゲームオーバーとなります。
 生命の誕生という疑問は,さらに地球の誕生,宇宙の誕生という根源の疑問に直結していきます。付随して,時間は無限に流れていくのか,それとも巨大な円環のように振り出しに戻ってくるのでしょうか? スケールの大きな世界に遊んでみることも,たまにはいいでしょう。思考の世界と相対的に小さな自分に気付いてみると,そこにしあわせを見る目が開かれるような気がします。

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(2010年07月18日号:No.538)