家庭の窓
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真横から見るとそろばん玉のような体型に太った人が小幅でちょこちょこ歩いています。目の前を取りすぎていく人をそれとなく眺めていましたが,歩き方というポイントから観察してみました。前屈みで歩く人。ポケットに手を入れて歩く人。がに股で歩く人。のっしのっしと歩く人。大股で歩く人。すっと歩を進める人。なよなよと歩く人。早足で歩く人。ゆったりと歩く人。足を投げ出すように歩く人。バタバタと歩く人。かかとを引きずって歩く人。歩いている人がほとんど男性という場所ですので,エレガントな歩き方を見るはずもありません。
何十年も歩いているのですが,歩き始めの頃に正しい歩き方を学んだ記憶がなく,自分の歩き方を意識してチェックしたこともありません。ネットで検索すると「正しい歩き方」を教えてくれているサイト(http://www.healthy-life21.net/ssw/ssw1.html)がありました。
1.下腹を下から持ち上げるように引き締める。
2.頭頂部をひもで引き上げられるように背筋をしっかり伸ばし、軽く胸を張る。
3.膝を軽く伸ばし、足先を引き上げ、踵から着地し、着地した踵の上にすばやく腰を乗せていく。
文字の説明を頼りに自分の体を動かしていくのはもどかしさがありますが,こんなものかなと確認しています。普段は「背筋を伸ばして」という言葉を気にしていますが,それだけでは足りなかったようです。
いろんな人の歩きっぷりを見ましたが,その変幻さは正しい歩き方の範囲には入っていないようです。歩く速さや歩幅,手の振り方などは,正しさより美しさに関わる要素になるのでしょう。颯爽とした歩きは,基本に正しい歩き方があり,その上に全身のバランスの良い動きが関わっています。「美しい歩き方」はファッションの世界で検索できそうです。
見られていると思うと,身繕いに気配りをするものです。普段は歩き方を見られているとは思わないので,無頓着です。それが乱れの元になります。おしゃれに気配りをしても,歩き方を疎かにすれば,姿の美しさは失われます。但し,正しい歩き方はおしゃれだけではなく,健康の元であることを再確認しなければなりません。
最近,建物の中で歩いていて突っかかることがあります。足を前に出している途中で,床に触れた靴底が引っかかるのです。最近の床は滑らないように磨かれているので,動きを途中で遮られることになり,予定していた歩幅が確保できず,バランスを壊します。足底を持ち上げる力が弱くなってきたのだろうと気遣っています。ことさら足を持ち上げるようにするのもどこかの行進風で妙なので,あまり強くは意識してはいません。
人の振り見て我が振り直せ。立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花。憧れる見本があれば,真似をすることができます。あのような歩き方をしたいものという,見とれるような歩き方を見せてくれる方がいません。単純に,そのような方がおられる世界に住んでいないだけということかもしれません。あるいは,歩き方など思ってもいないから,見えていないということもあり得ます。物事はその気にならないと見えないものです。
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