《しあわせは 負の環境を ぬぐい去り》

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 ボランティア活動で,子どもの見守りや近所の夜回りをしているために,地域の安全にいくらかの関心があります。そのような情報に目が止まることになります。ある雑誌の中で見かけた文章です。
 「犯罪対応には人に着目する犯罪原因説と,犯罪は起こりやすい状況があるから起こるという犯罪機会説がある。人に着目といっても犯人を予測するのはハードルが高く,犯罪予防の面では機能しずらい。むしろ,犯罪が成功しそうな状況に留意する犯罪機会説が予防には有効である」。
 罪を憎んで人を憎まず。そんな言葉がありました。罪を起こさせた状況を憎むべきということになるのでしょうか。邪な欲望があって,それを抑えきれない人がいても,犯行を起こせないような状況であれば,犯罪は起きないという考え方のようです。であるなら,犯罪が起きやすい状況を避けることが,予防の一歩になります。例えば,夜遅く暗い道は歩かないといった用心をすることです。
 週日の毎夜にメンバーが交代で夜回りをするという我々の活動も,抑止になる状況を作り出していることになります。人目がある,誰かが見ているという監視力です。地域に犯罪防止の動きがあるというイメージをつくることができればというのが,活動の目標であったことを思い出しました。
 割れ窓理論「Broken Windows Theory」というのがあります。米国の心理学者であるジョージ・ケリング(G.L.Kelling)博士が提唱した説で,建物の窓ガラスが割れたままに放置されていると,管理人がいないと思われ,無法状況と錯覚されて,凶悪な犯罪が増えるという理論です。1枚目の窓を割るのは心理的抵抗が大きいが,割れている窓が1枚あると他の窓を割る時の心理的抵抗は非常に少ないということです。その応用として,目に見える軽微な犯行を減少させることで他の犯行の誘発を防ぐという考え方から,ニューヨーク市で地下鉄の無賃乗車や落書きを「割れ窓」に見立て,これらを徹底的に取り締まった結果,劇的に犯罪が減ったといわれています。但し,これは考え方であり,数値的な検証はないようです。(→ http://d.hatena.ne.jp/keyword/割れ窓理論)
 子どもの犯罪被害防止の講演で,悪い人はどんな人相風体の人ですかという問いかけがありました。いわゆる悪人面という絵柄になるのですが,実際の悪い人はそんな人ではなく,ごく普通の風体の人でしょう。犯罪原因である人を見分けるのは,その道の専門家でなければ不可能です。となると,危うい場所には近寄らないという手立てしかなくなります。
 目立たずひっそりと明るいところで堂々と前を向いて生きていく,つけ入られないように少しばかりすきを見せない気配りをしていればいいのではと,思い返しています。さらには,通り魔的な犯罪以外では,身近な関係の中で犯罪が起こる割合が高いと聞きます。妬みや恨みといった陰気な気持ちを呼び込まないように,明るい笑顔で防衛することも大事になります。あっけらかんと明るく暮らすことが,周りの状況を安全にする方策であろうと信じています。

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(2010年11月14日号:No.555)